河上隆一率いる反GLE MONSTERSの一員として暴れながら、2・11後楽園ホールでその河上を裏切ったばかりか、返す刀で新たなるユニットの結成を宣言したブラスナックルJUN。とにかく見境なく他者をザコ扱いし、その矛先は海を越えWWEにまで及ぶという想定外の事態に発展している。いったい何が彼をそこまで暴走させているのか!?(聞き手・鈴木健.txt)
JUN なんだザコ! なんか用かよ。
――すいません、お忙しいところ。まず聞きたいのは、鉄の絆で結ばれていたと思われた河上選手を2・11後楽園ホールで襲った理由です。
JUN そんなことを聞きに来たのか!? そんなもん、どっちだっていいだろ! 河上がザコであることに変わりはねえんだからよ。特別に教えてやるよ。河上がリンダマンとのG-REX戦で勝とうが負けようが、はじめから追放するつもりでいた。そもそも反GLEの連中は仲良しこよしでもなんでもないし、前々から河上に対しては思うところがいーっぱいあったんだよ。あいつがシャーマンだった頃の試合を見ていたか?
――はい、悪の限りを尽くしていました。
JUN バカヤロウ! 何が悪の限りだ。あいつほどファンに媚びたり、手拍子を煽ったりするヒールがどこにいるよ。オレが入った頃の河上は、世の中の呪いをすべて集めたようなワルだった。それが続けるうちにいい気になっちまったんだろうな。「オレって支持されてるじゃん! イエーイ!!」とか勘違いして、いつの間にか自分の方からファンに寄るようになっていった。タッグを組むと、当然それを一番至近距離から見せられるわけだ。その醜悪さといったら、いても立ってもいられないぞ。
そして、あいつはオレに殴られたことを口実に、シャーマンを捨てただろ。あれは最初からもとの河上隆一に戻って、キャーキャー言われることを望んでいた確信犯的犯行だ。最初からヒールとオサラバして、いい子ちゃんになるつもりでいたんだ。オレは欠場している間、それに気づいた。こいつ、反GLEの中でヒーロー気取りをするつもりだってな。そんなやつと一緒にやっていたら、こっちまで落ちぶれてしまう。だから追放してやったんだ。いい子ちゃんになれるきっかけを作ってやったんだから、アイツはオレに感謝しないと筋が通らねえだろ。
――JUN選手は河上選手に恩を感じてはいないのですか?
JUN ブハハハハハハッ!! オマエ、今はもう昼だぞ。いつまで寝ぼけているんだよ。起きろよ。顔を洗えよ。なんでオレがあんなやつに恩義を感じないといけねえんだよ。まあ、強いて言うならオレが復帰するタイミングで最高の引き立て役なってくれたことには「ありがとさんよー」と言ってやってもいいか。まあ、あいつもオレがケガしたことで3カ月近く命拾いしたんだから、それもオレに感謝しなければならないだろ。そして、今はデパートの包装紙のようなトチ狂ったコスチュームに変えてやっているが、恥ずかしくないのか?
――本人は悦に入っているようです。
JUN な? 要はああいうことをやりたかったわけだ。太陽になるだとか、華を出すだとか、そんなことばかり考えているようなやつとオレが一緒にやるわけねえだろ。だから河上なんぞ、どーーーでもいい。世の中に河上隆一のファンとやらがもしもいるようなら、アンケートをとってみればいい。「これがあなたの求めていた河上隆一の姿ですか?」っていう質問でな。100人中100人が「いや…私たちが求めている河上隆一とズレています」って答えるぞ。もっと、自分を見なさい。
――反GLE MONSTERSは終わりで、4・8新宿で新しいユニット名を発表するとのことですが?
JUN あのな、河上隆一が作ったユニット名でやっていくわけがねえだろ! 反GLE軍に合流した時点で内心、オレは「なんじゃ、このセンスがゼロのユニット名は」って思っていたんだよ。ただ、本人はいい名前を考えたって嬉しそうだったから、入ったばかりでそこにダメ出しするのもしのびなかったんで黙っていた。何よりオレ自身が一から新しいものを創りあげたいと思ってるから、あのユニット名とはオサラバだ。今もロック岩崎、佐藤☆恵一、木下亨平組んではいるけど、オレはついてこいとも一緒にやろうともひとことは言っていない。勝手に金魚のフンみたいについてきているだけだ。
――共闘している3人を金魚のフン呼ばわり!
JUN だから言っただろ、オレらは仲良しこよしじゃねえんだって。オレが誘ってもいないのにああやってタッグを組んでいるってことは、あいつらなりにこっちの方がオイシイって思っているからだろう。やってみて合わなかったら勝手に消えればいいだけのことだ。もともとオレは一人の方が性に合ってんだよ。ただ、ずっと一人のままだと毎試合シングルマッチが組まれるというめんどうくせえことになるから、タッグマッチをやるための要員。とにかくオレは、仲良しこよしが大っ嫌いで、自分が楽しければそれでいいという考えだから。
GLEATの本隊の連中を見てみろよ、先輩たちにこれをやれと言われたり、試合ではこうした方がいいと言われたりして、それをやっているだけだろ。そこに自分の考えなんてないんだよ。縛られた中でプロレスをやって、楽しいと思えているのか? オレは自由を求めて反GLEを選んだんだよ。自由は楽しいぞ。何をやってもかまわないんだからな。
――そもそも、なぜブラスナックル(メリケンサック)を使うようになったんですか?
JUN 北斗の拳とか見てたからな。オレの中ではブラスナックルこそが最凶であり最恐であり、最強だから。なんでみんな、もっと使わねえんだってずっと思っていた。だからオレはただ使うだけじゃなく、ブラスナックルそのものになったんだよ。どいつもこいつも、ブラスナックルの本質を知らないよな。オレほどブラスナックルを使いこなせているプロレスラーがいるか? それは、ブラスナックルと通じ合っているからだ。いや…オレがブラスナックルだ!
――得意技はなぜ絶対零度(ダイビング式ブラスナックル殴打)という名前に?
JUN オレがブラスナックルJUNになるやいなや、なぜかオレのX(旧Twitter)が凍結したんだよ。こっちは当たり前のことしか言っていないのに、それが誹謗中傷や罵詈雑言と受け取られたようである日突然、開かなくなった。おそらくイーロン・マスクは字ヅラだけとらえて凍結したんだ。とにかくそういうのが重なって、だったらブラスナックルを使ったパンチを「凍結パンチ」にしてやるって名づけたんだ。そこからさらに温度を下げたのが「絶対零度」だ。全員、氷河期のマンモスのように凍らせてやる。
――GLEATを盛り上げたいという気持ちはあるんですか?
JUN ハッキリ言って、今のGLEATはオレがいなければ成り立たない団体になっているだろ。欠場中に見ていたけどまったく面白くなかった。それがどうだ、後楽園でオレが乱入するや週刊プロレスにデカデカと載ったのは誰だったよ? つまり雑誌もオレが一番面白いと思った何よりもの証拠だろ。オレが復活したからには好き勝手に暴れるが、それが一番面白くなるってことだ。ほかの連中はザコばかりだから、何をするべきかあれこれ考えて、結局はつまらないことしかできない。それは縛られて、自由がないからだ。本当にリング上を面白くするのは、自由に暴れ回れる人間ってこと。つまり、オレだ。オレだけが有名になればそれでいい。
――それでWWEのジュリア選手に嚙みついたんですか。
JUN 違うだろ、あれはあいつが「ザコ」をパクったから、フザケんなと言っただけだ。 こっちの方が先に使ったら、そのあとすぐに向こうも言い出した。ああいうのはズルいよな。団体の規模の大きさはハッキリ言って比較にならないから、規模の大きい方が元祖・本家だと思われる。面識は一切ないし、向こうも「ビタ一文知らない」などとは言ってたが、アイツはオレにあこがれてるな。知らないっていうのも、強がっているだけだ。許可するかどうかは別の話だが、筋を通せばこっちも考えたのに。だからこっちも、ジュリアの技をパクらせてもらった。これでおあいこだ。
――世界的にバズった、うつ伏せ状態の相手の両腕を持って後頭部を踏み潰す技ですね。技名はどうするんですか?
JUN そのものズバリ「ジュリア」だ! ちゃんと敬意を表しているだろ。こっちは筋を通しているぞ。言っておくが、ジュリア以外も誰であろうと「ザコ」を使うのであればオレの許可を取れ. これはプロレス界だけでなく、あらゆる世界でもそうしろ。オレを見ての通り、モヒカンこそがザコではない何よりもの証明だ。だから世の中のやつらも全員モヒカンになればザコでなくなる。ただし、モヒカンはあくまで自分を変えるための基礎にすぎない。そこからいかに自分を弾けさせ、さらけ出せるかだ。オレを見ろ、さらけ出しているだろ?
――はい、頓所隼時代とは別人のようにさらけ出しているのは確かです。
JUN さらけ出した結果、今は実に楽しく弾けた日々を送れている。ザコは、そういう世界がわからないからザコのままなんだ。ザコじゃない基準のラインだと? そうだな…トリプルHがザコかザコじゃないかのラインだな。ザコ呼ばわりされるのが頭にくるんだったら、自分で行動を起こせ。それはファンも選手も世の中も同じだ。まずはモヒカンにしろ。話はそれからだ。
――それにしてもプロレス総合学院に入って、月謝を払い続けてでもプロレスラーになりたいと夢を追っていたあの純真な頓所隼はどこへいってしまったのか…。
JUN 頓所隼はなあ、大久保の風になったんだよ!