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2017-09-14

全日本総合選手権展望 (女子編)

 実業団、クラブ、大学。そのすべてのカテゴリーのトップチームが参加して争う「日本一決定トーナメント」。それが、全日本総合選手権です。

 今年度は男女ともに9月16日(土)に開幕し、18日(月・祝)に決勝が行われます。開催地は、女子が福井県で、男子が青森県。女子は来年の福井国体のリハーサルも兼ねています。

 間もなく始まるソフトボール界のビッグイベントを前に、昨年度の大会を振り返りつつ、今年の大会を展望していきます。

昨年は上野の力投でビックカメラ高崎が制す

 大分県で行われた昨年の総合女子選手権の決勝は、ビックカメラ高崎と豊田自動織機という名門対決でした。

 ビックカメラ高崎の上野由起子、豊田自動織機のケイラニ・リケッツの両投手による投げ合いの中で、ともに三塁まで走者を進めるチャンスはありましたが、スコアが動かないまま7回を終えます。

 タイブレーカーの8回表。ビックカメラは四死球で二死満塁とすると、柳井春菜選手の内野ゴロが相手のミスを誘い、待望の得点をノーヒットで挙げました。

 その裏、豊田自動織機はタイブレーカーの走者を犠打で進めますが、あと一本が出ず。ビックカメラ高崎がチーム移管後で初の優勝を果たしました。

 決勝で完封した上野投手が、その決勝を含めた3日間4試合で投げた球数は、なんと342球! あの北京オリンピックをほうふつとさせる力投で、チームを優勝に導きました。

昨年は上野投手が見事なピッチングを見せ、ビックカメラ高崎が日本一に輝いた

今年の大会を各ブロックに分けて展望

 今年の大会は、福井県永平寺町の松岡総合運動公園you meパークをメイン会場に、福井市、越前市、敦賀市が会場となっています。組み合わせは次の通りです。

 今大会の注目は、ビックカメラ高崎が連覇を果たすかどうか。今季は昨季以上に好調で、日本リーグでは開幕から14連勝を飾るなど、7節終了時点で首位に立っています。今大会でも、優勝候補筆頭と言えるでしょう。

 ビックカメラ高崎と日本リーグの二強を形成するトヨタ自動車は、順当にいけば準々決勝でビックカメラ高崎と対戦します。昨年は準決勝で顔を合わせ、5回コールド負けという屈辱を味わっただけに、挽回への思いは強いはず。実現すれば、ライバル対決はかなり白熱しそうです。

 この二強の隣のブロックで注目されるのは、今季の日本リーグで上位に付けているSGホールディングスです。主砲のステーシー・ポーター、エースのカーヤ・パーナビーというオーストラリア代表コンビを軸に、頂点をうかがいます。

ビックカメラ高崎と準々決勝で対戦する可能性が高いトヨタ自動車。モニカ・アボット投手と上野投手の投げ合いは「世界最高レベル」

今季、躍進を見せているSGホールディングス。福井でも、ポーターのバットから快音が聞かれるか

 反対の山の最初のブロックは混戦模様。シオノギ製薬、伊予銀行、日本精工といった日本リーグ1部勢が貫禄を示すか。それとも、日本リーグ2部所属の大垣ミナモや園田学園女子大、日本体育大といった強豪大学が「ジャイアントキリング」を果たすか。どこが勝ち上がるか目が離せません。

 最後のブロックは、昨年の準優勝チームである豊田自動織機と、日本リーグで好調を維持する太陽誘電が4強をかけて激突すると予想されます。今年のインカレで初優勝を果たした環太平洋大が、大学チームとしてどこまで健闘できるかも楽しみです。

藤田倭投手をはじめ、多くの日本代表選手が在籍する太陽誘電。日本リーグの古豪は、1991年大会以来の優勝を目指す

昨年は準優勝に終わった豊田自動織機。一昨年に続く5度目の優勝を狙う

 今年の「真の日本一」は、どこか。台風が近づき、天候が心配されますが、それをはね返すような熱戦を期待しましょう!

 今大会の模様は、10月24日発売のソフトボール・マガジン12月号に掲載いたします。ぜひ、お楽しみに!

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