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2017-07-13

ソフトボール『カナダカップ応援日記』④

 カナダ在住記者のガスコット清美(Kiyomi Guscott)さんによる、女子TOP日本代表と女子GEM2(U16)日本代表が参加するカナダカップを取材する応援日記の第4回です。今回は2つの代表チームの交流が実現したみたいですよ!(ソフトボール・マガジン編集部)

上野投手と感動のご対面!

 カナダカップも、今日(現地時間7月12日)で4日目を迎えたGEM2代表。この日は午後3時からと9時からの2試合が行われた。

 実はこの日、TOP代表も2試合を控えており、しかも試合開始時刻もGEM2と同じだった為、GEM2の選手たちがTOP代表の練習風景を間近に見られるという、滅多にない機会が訪れた。

 すぐ隣で「あのあこがれの上野由岐子投手が投げている」という状況に、GEM2の選手たちは興奮を隠しきれない様子。その選手たちの目の輝きをキャッチした渡辺祐司チームリーダーがGEM2の投手陣を集めて、こう話した。

「上野選手がピッチングをするときの、足首、ヒザ、腰、肩、腕、すべての箇所を見るように。そして、自分とどこが違うのか見つけるように。それから、もし上野選手に質問できる機会が訪れたときに、いつでも質問できるように準備しておきなさい」と。

『憧れの選手に出会えた時に一番何を聞きたいか』
それはとても興味をそそられるテーマだ。
と、言うことで上野選手と話す機会が訪れたら何を聞きたいか投手陣に聞いてみた。

稲葉怜美選手(京都西山高)「日ごろからトレーニングとかで何を意識しているのか」

中邨花菜選手(園田学園高)「キャッチャーと話しているときに何を話しているのか」

松本琴和選手(川崎市立野川中)「自分は毎回リリースポイントがバラバラになるので、どうしたら安定するか」

山下千世選手(城南静岡中)「自分はランナーが出ると焦ってしまい、テンポが早くなったりするけど、そのときどうやって気持ちを落ち着かせるか」

高 美優選手(福岡中央高)「試合の前のスイッチの入れ方、気持ちの入れ方」

と、選手たちは まるでそこに上野選手がいるかのように目をキラキラ輝かせながら答えてくれた。

 そして! 憧れの! 上野由岐子選手と写真を撮る機会が到来!
 話せる絶好の機会が思ったより早くやって来てしまった選手たち。私とのインタビューで練習していた通りにはいかず、一言も話せなかったそうだ。

 それでもこの「忘れられない出来事」が選手たちに力を与えたのか、1試合目のBellingham Bash戦では、8-0と快勝を収めた。

 明日以降、またカナダカップが終わってからもずっと、この時の「心が震えた瞬間」を忘れずにいてほしいと思う。

(文・写真/Kiyomi Guscott)

渡辺チームリーダーの「上野投手のすべてを見るように」との話に、GEM2投手陣は食い入るような視線を送った。

あこがれの上野投手との記念撮影! 質問はできなかったものの、大きな収穫を得たはず

Bellingham Bash戦で先発した山下投手。上野投手をはじめとしたTOP代表からの刺激を受けて好投

この日2試合目のFraser Valley戦でホームランを放った石川花選手(大阪偕星学園高)。打者にとってもTOP代表との交流が良い刺激となった

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