本日6月23日から3日間、「日米対抗ソフトボール」が開催される。宿命のライバルであるアメリカと三連戦を行うこの大会は、仙台での2試合を経て、東京五輪会場である横浜スタジアムで最終戦が開催される。ここでは昨年の第1回大会を振り返りながら、今年の戦いを展望する。
現在、世界の女子ソフトボールの勢力図は、二強を中心に形成されている。一つは日本、もう一つがアメリカだ。
今から9年前の北京オリンピック決勝で、それまでアメリカが築いてきた「一強体制」を、日本が打破して優勝。見事に金メダルを獲得した。以降、この2カ国が3大会連続で世界選手権の決勝を戦い、日本が2回、アメリカが1回と、優勝を分け合っている。
昨年、そんなアメリカを招いて三連戦を戦う「日米対抗ソフトボール」が、初の試みとして行われた。第1戦が行われたのは、なんと東京ドーム。これまでソフトボールが開催されたことがなかった球場に3万2000人を超える観衆が集り、来場者に配られた日本代表応援ユニフォームを来て大声援を送った。
続く第2、第3戦の舞台となったのは、仙台の屋内型ドーム施設「シェルコムせんだい」。東京ドームほど大きくはないものの、選手と観客の距離が近く、日本の選手が試合後にサイン会を行えば、アメリカの選手も試合後に観客と交流するなど、活発なふれ合いが持たれた。
昨年の日米対抗は日本の2勝1敗だった。エースの上野由岐子(ビックカメラ高崎)が負傷で欠場する逆風の中で迎えたが、大観衆の後押しを受けて第1戦を制すると、第2戦もタイブレーカーの接戦の末に競り勝つ。しかし最終戦は相手の機動力にかき回された。
その後、ほぼ同じメンバーで戦った世界選手権の決勝では、初回からアメリカの集中打を浴びて敗れた。だが、9月に行われたジャパンカップでは決勝でコールド勝ちを収め、留飲を下げた。結局、昨年は日米対抗の3試合を含めてアメリカと8試合も行い、4勝4敗の五分。内容的にも互角だった。
本日6月23日に第1戦が行われる今年の日米対抗は、そんな互角のライバルとの決着をつける三連戦となる。
ただし、昨年も今年も、アメリカ代表は若い選手が中心の構成であり、特にバッテリーは経験の少なさが見られる。エースであるアリソン・カルダをはじめ投手個々の能力は高いが、まだ発展途上のチームだ。
攻撃面も粗さが目立つが、スラップなどを駆使し、足を使った打撃のできる打者は要注意。アメリカの長所であるパワーヒッターも多く、中でも昨季まで日本リーグのHondaでプレーしたバレリエ・アリオトは、日本の投手の特徴を知っているだけに手ごわい。
今年は第1、第2戦がシェルコムせんだいでの開催で、第3戦は横浜スタジアムで行われる。この横浜スタジアムは20年東京五輪の野球・ソフトボールのメイン会場に決まっており、まさに3年後に金メダルを争う舞台で、ライバルであるアメリカと対戦することになる。
今のアメリカは若手中心とはいえ、今回のメンバーから東京五輪にも出場する選手も出てくるだろう。貴重な前哨戦となる舞台でライバルに嫌な思い出を残さないためにも、昨年以上に負けられない戦いとなる。
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