国内アメリカンフットボールの最高峰リーグとしてスタートした「Xプレミア」。第2節5月24日にあるのが、パナソニック インパルス対富士通フロンティアーズの1戦(大阪・MKタクシーフィールド)だ。2020年代に4年連続で日本選手権・ライスボウルで対戦した両チーム。開幕節の戦いから、両チームの今を探る。
富士通の開幕戦は東京ガスクリエイターズ。苦戦する局面もあったがしっかりと勝ち切った。
Xプレミア第1節富士通フロンティアーズ○23vs0●東京ガスクリエイターズ(2026年5月10日@富士通スタジアム川崎)
王者パナソニックの高山HC「残り9試合、勝ち切る」Xプレミア第2節で富士通と激突

試合の得点経過は次の通り。
富士通【3-0】1Q 9分23秒 K納所幸司, 42ヤードFG富士通【10-0】2Q 5分22秒 QB高木翼→WR松岡大聖=14ヤードTDパス(キック成功) [7回74ヤード、3分29秒] 10 0
富士通【13-0】2Q 11分42秒 K納所幸司=37ヤードFG富士通【20-0】4Q 2分23秒 QB高木翼→WRグラントサマジー=2ヤードTDパス(キック成功) [7回45ヤード、3分00秒]富士通【23-0】4Q 9分32秒 K納所幸司=27ヤードFG
ランで苦戦 大きいニクソン引退の穴富士通はオフェンスの中心だったRBトラショーン・ニクソンが引退。RBは、香川将成、三宅昂輝、山嵜大央の3人で回した。この試合は香川がスターターとして起用され、9回39ヤード、平均4.3ヤード。決して悪くはなかったが、最長で7ヤードが示すように、ロングゲインを欠いた。ビッグプレー能力では香川を上回る三宅と山嵜は負傷もあって登場は限定的だった。3人で進んだのは55ヤード。QBサックがランのロスヤードとして記録されるNCAA方式なので、スタッツ上の21ヤードほどはひどくなかったが、物足りなかった。

オフェンスのもう一つの軸は、言うまでもなくエースQB高木翼のパスだ。WR松井理己がフラッグフットボールの日本代表に召集されているため、もう一人の長身WR神優成や、シュアハンドのスロットレシーバー木村和喜にボールを集めた。第2Qには、中央大学から加入のルーキー松岡大聖にTDパスをヒット。第4Qには、WRサマジー・グラントが得意とするアクロスルートのパスでロングゲインを奪い、FGにつなげた。

高木のプレーで気になったのは、最初のオフェンスシリーズのファンブルロスト。2ndダウン7ヤードから、QBキープで走り、東京ガスディフェンスのヒットを食らった。
3rdダウンならまだしも、スライディングすべき場面だった。ボールセキュリティー以上に、負傷リスクを考慮すべきだった。
責任感が強い上に、パスだけでなくランでも勝負できるQBであろうとする高木の心意気は理解できる。だが、ニクソンが抜けたオフェンスで高木が負傷したら、富士通の王座奪還は夢となってしまう。
東京ガスとの対戦は、2024年5月以来で2年ぶり。前回は「春シーズンの富士通」で、若手主体のメンバーで戦ったため、ニクソンも高木も出場していなかった。それでも31-10で勝利した。
東京ガスは、着々と強化が進んでいる。それを考慮しても、富士通としてはすっきりしない勝利だった。オフェンスのヤード数はちょうど倍の276。ファーストダウンも19で、東京ガス9の倍以上。だが、攻め切れないもどかしさがあった。
レッドゾーン5回でTD(タッチダウン)2本にとどまった。サードダウンコンバージョンは2/8だった。
日本人RBトリオには「高い目標を設定している」試合後、富士通の山本洋HCに話を聞いた。
ーー今季初戦の勝利について
「ディフェンスがしっかりシャットアウトできたのは大きかった。けれど、要所でタックルミスがありましたし、ランを結構いい形でコンスタントに出されたところがあった。ランディフェンスをもう一回ちょっと修正というか見直しをするのが一つ大事。 パナソニックさんは、(ランが)強いので、しっかり止められるようにしないといけない」。「新人のDB東田がインターセプトできた。彼が今できるパフォーマンスをしっかり出してくれたかなと思うので、そこはすごく嬉しいです」。

ーーニクソンが引退し、ランゲームが厳しい。
「RB三宅がちょっと怪我、まだ本調子を取り戻してない。次のゲームに向けてはだいぶ上げてきてくれると思います。 山嵜大央もいるし、香川と三人でトラショーンが稼いだところを、どうやって埋めていくかっていうのは、シーズン始まる前から課題です」。「トラショーンにボールを渡せばみたいなところが当然あったので、オフェンスコーディネーターとしても計算が立った。 そこを今の日本人RBがどういうふうに、パフォーマンスを出せるかっていうのは、選手たちは考えてくれていると思うので。結構高い目標を設定しているので。そこは頑張りを見せたいですね」。ーー先発したRB香川が良いとは言えないが、彼なりの走りを見せたのでは。
「そうですね。でもまあ、何て言うんですかね。要はディフェンダーを(OLが)ブロックしているのですけど、ホールが締まって、ディフェンスが間に合ってしまっているケースが結構多いのです。 RBがそこをスピードで抜けなきゃいけない。ちょっとそこが足りなかったかなと僕は思います」。

ーーOLとの密着性というか、OLとの関係ですね。
「そうです。後半入る前にその話をRBにして、後半はそれなりにポンポンと早く出るようになったと思うので、前半ちょっと見過ぎてたかなと思います」。「ちょっと攻め方をいろいろ工夫することが、次のパナソニックさんのゲームに対しては結構重要かなと思ってます。スキルポジションは、レシーバーもそうですし、サマジーもボールを回してる分、それなりにパフォーマンスを出してくれる。QB高木はいろいろとしっかりボールを回せるので、そこをしっかりゲームプランに組み込んでいけたらいいと思います」。

ーーQB高木は2サックされました。
「普通にアサインメントミスでやられてるとか、(東京ガスのDLに、富士通のブロッカーが)1対1でやられているのが結構あったので。 はい。 OLは若い選手も出しているので、世代交代なんで我慢してやるしかないかなと思っています」。「パナソニックさんも当然狙ってくると思うので、要はゲームプランとしてどういうふうにそこを変えられるか、抑えれるかというのが、結構大事と思っています」。 今までやってきたものがどれだけしっかりしているかーー次戦に向けて
「パナソニックはすごくいいチームです。選手もものすごく厚いので、パナソニックも現段階でのベストな(ゲームロースターの)48人を出してくれると思うので、我々もしっかり戦えるような48人のメンバーを選んで。どういう選手が出てくるかと言えば、何度も戦わせてもらってるので、大体予想はついてるとは思うんですけども、まああの、自分たちのプレーがしっかりできるようにいい準備をしたいと思っています」。「パナソニックさんとやる時に、今までやってきたものがどれだけしっかりしたものがあるかというところが勝負になると僕は思います」。
「もうどこのチームもみんなちゃんと力つけてきている。他のチームの皆さんも努力をして、上に勝とうとしてやられているわけですから。我々も2シーズン(ライスボウルを)勝てていないんで、横綱相撲、チャンピオンチームとしての戦いができるとか、それは別にないので」。「うちは、今のこれが現実、現状で、今のうちの力はこういうレベル感だということ。もう成長とチャレンジの繰り返しをしていくだけだと思うので、一戦一戦しっかり勝利を積み上げて、チーム力を上げていけたらいいかなと思います」。





5月24日11時30分キックオフ
パナソニック インパルス対富士通フロンティアーズ(大阪・MKタクシーフィールド)