
千秋楽はアメリカのトランプ大統領が観戦するということで、国技館は超厳戒態勢。入場者は持ち物検査、金属探知機によるボディチェックを受けて入場した。
※写真上=右大腿部を損傷し懸命な土俵を勤めるも、惜しくも負け越した炎鵬
写真:月刊相撲
トランプ大統領はこれより三役から3番を観戦予定だったが、優勝した朝乃山を見たいということなのか、最後の5番から観戦した。しかし、この日一番の熱戦は中入りから2番目の松鳳山と炎鵬の勝ち越しを懸けた一番だった。
9日目に7勝目を挙げ、新入幕での勝ち越しにあと1勝とした炎鵬だったが、そこから連敗。13日目には右太モモの裏を痛めてしまった。
「強い気持ちを持って、後悔しないように攻めていきます」と悲壮な覚悟で臨んだ炎鵬は、言葉どおり懸命に攻めた。
当たってから左に動いて潜り込もうとする炎鵬。左を差したが、松鳳山に右上手を取られて振りほどく。その後は離れた展開となり、松鳳山がよく見て下から突き上げ、炎鵬を中に入れさせない。松鳳山が突き押しで前に出るも、炎鵬はうまく回り込んで、体を入れ替える。
目まぐるしい動きから左四つに組み合い、松鳳山が右上手を引き付けて出るところを炎鵬は左下手投げ。この下手が深い位置なら決まっていたが、浅い下手からの投げだったので凌がれる。再び炎鵬が低い体勢で前に出るが、松鳳山の上から押し潰すような上手投げで土俵に這った。48秒間、動き続けた両者に、大きな拍手が送られた。トランプ大統領には、この一番を生で見てもらいたかった。
炎鵬は「最後の1パーセントまで力を出した。悔いはないです」と振り返った。新入幕の場所は最後に6連敗で負け越したが、「すべてにおいて足りなかった。一から鍛え直して、もっと力強い相撲を取っていきたい」と巻き返しを誓った。
文=山口亜土
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