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2019-05-20

相撲編集部が選ぶ夏場所9日目の一番 貴源治(突き出し)旭秀鵬

前日、再出場した新大関の貴景勝だが、結局、相撲が取れる状態ではなく、9日目から再休場となった。その貴景勝の兄弟子の貴源治が十両の土俵で元気いっぱいだ。

※写真上=十両で全勝を続ける貴源治が旭秀鵬を退け、幕内昇進を濃厚にする9勝目を挙げた
写真:月刊相撲

 この日は旭秀鵬と対戦。廻しを取れば強い相手を立ち合いから突き放して、廻しに触らせず突き出した。これで9戦全勝。東十両2枚目なので、来場所の新入幕はほぼ確実になった。

「技術的には変わってないと思うけど、気持ちが強くなった」と好調の要因を語る。前日に勝ち越しを決めても、「勝ち越して気を抜いたら終わりですから」と気を引き締める。

 前師匠の貴乃花親方からは、「後半戦に力を出せるように」ときつい稽古を課せられてきた。「幕下のときは7番なので、後半になって疲れることはなかったんですけど、15日間取るようになって、本当に後半はきつい。今も疲れているんですけど、ほかの人も一緒なので、勝負はこれからです」と前を向く。

 2敗だった安美錦、豊ノ島が敗れて2位グループとの差は3に広がり独走状態。十両優勝を手土産に新入幕となりそうだ。

 双子の兄・貴ノ富士も幕下で無傷の5連勝。十両から陥落し、西幕下2枚目に番付を下げたが、1場所での返り咲きを濃厚にした。「余計なことは考えず、自分の相撲を取り切るだけ」と語る貴ノ富士。お互い刺激になっているようだ。

 双子の兄弟が十両、幕下で同時優勝となれば、史上初のことになる。

文=山口亜土

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