4日目の御嶽海戦で右ヒザを痛めた新大関の貴景勝が休場を発表した。「右膝関節内側側副靱帯損傷」で全治3週間とのこと。師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は、「無理に取って相撲人生を終わらせるわけにはいかない。ゆっくり時間をかけて直してほしい」と語った。再出場させるつもりもないという。
※写真上=幕下注目の一番は琴鎌谷が豊昇龍を寄り倒し、十両へ大きく前進した
写真:月刊相撲
新大関の休場で目玉がなくなってしまったが、幕下で注目の一番が組まれた。東2枚目の琴鎌谷と西4枚目の豊昇龍の対戦だ。元横綱琴櫻の孫と元横綱朝青龍の甥はここまで2戦2勝。先場所も顔が合い、このときは琴鎌谷が突き落として勝利している。
今場所は豊昇龍が頭から低く当たって前ミツを狙うも、琴鎌谷が突き起こし右ノド輪でのけぞらせる。豊昇龍は相手の右手を手繰って泳がせ左上手を取ったが、琴鎌谷が右を深く差し込んで前進。土俵に詰まった豊昇龍が捨て身の左上手投げを放つが、琴鎌谷は右の差し手を突き付けて寄り倒した。
3連勝で新十両に大きく前進した琴鎌谷は、「何でもやってくる相手なので、突きで決めるというよりは、流れに乗って攻めようと思っていた」と会心の表情。朝青龍と名勝負を繰り広げた父の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)からは、「相手を吹き飛ばすぐらいの気持ちでいかないと勝てないぞ」と言われたそうだ。
十両の千代の国と白鷹山の2人が全休で幕下落ちとなるだけに、勝ち越せば新十両が濃厚だが、「ここからが本番なので、最後まで気を抜かないように力を出し切ります」と気を引き締めた。
敗れた豊昇龍は、2勝1敗となり「動きは悪くなかったけど、考えすぎちゃった」と悔しがったが、5勝以上を挙げれば新十両昇進の可能性は高い。あと2年後ぐらいには、この2人は幕内の上位で取っているのだろう。
文=山口亜土
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