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2019-05-15

相撲編集部が選ぶ夏場所4日目の一番 貴景勝(寄り切り)御嶽海

3日目に初黒星を喫した新大関の貴景勝だが、「勝つことができなかったのは悔しいけど、終わったことなので、明日の準備をするだけです」とすぐに気持ちを切り替えた。

※写真上=5連敗中の御嶽海をモロ差しから寄り切った貴景勝
写真:月刊相撲

 最近の貴景勝は敗戦を引きずらず、連敗することが少なくなってきた。しかし、4日目の対戦相手は5連敗中の御嶽海。下位の力士では唯一大きく負け越している相手だ。御嶽海も前日、「自分の相撲を取れば負けないと思う」と自信を見せていた。

 貴景勝は先場所、御嶽海に敗れたあと、「こうすればいいんじゃないかという考えはある」と語っていた。御嶽海が貴景勝や玉鷲の突き押し相撲に強いのは、突き手を下からあてがって、威力を半減させる技術に優れているから。貴景勝はそれをさせないために考えた。

 貴景勝は低い立ち合いから、胸を突くのではなく、ハズにあてて相手の腕を上にはね上げるようにして前進。土俵際でこらえた御嶽海に対し汗で滑ったのか、ハズにかけていた手を差して、モロ差しになってしまったが、カイナを返して廻しを与えない。そのまま腰を落として寄り切った。寄り切りの決まり手は初土俵から200勝以上しているが、これが3回目。いかに離れて相撲を取っているかがわかる。

 しかし、勝負が決まったあと、貴景勝はヒザに手を当てて動けない。どこかを痛めてしまったようだ。支度部屋に戻ると、風呂には入らず右ヒザの内側をアイシング。心配した記者には、「大丈夫です。痛めてないです」と負傷の度合いについては語らなかった。

 ケガの状態次第では、休場の可能性も出てくるが、弱気なコメントは出ず、5日目以降の出場に意欲を見せていた。

文=山口亜土

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