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2019-03-22

相撲編集部が選ぶ春場所13日目の一番 美ノ海(押し出し)納谷

幕内の優勝争いは、13日目を終えて全勝・白鵬、1敗・逸ノ城と変わらず。2敗力士がいなくなり、優勝はこの2人に絞られた。このままいくと両者の対戦が見られないのが残念。決定戦の可能性もわずかに残しているが……。

※写真上=幕下全勝同士の対決は、関取経験のある美ノ海が地力の差を見せ優勝を決めた
写真:月刊相撲

 13日目の一番に選んだのは幕下優勝を決める一番。東51枚目の納谷は横綱大鵬の孫で関脇貴闘力の三男。昨年9月に新幕下に上がってからは一進一退で苦戦したものの、今場所は廻しにこだわらず、大きな体を生かした前に出る相撲で6連勝を果たした。

 対する美ノ海は、昨年7月に新十両昇進。1場所で陥落したが、今場所は東5枚目で全勝優勝すれば、十両復帰が決まる。納谷との力の差は歴然で、10番取れば9番は美ノ海が勝つだろう。しかし、一発勝負だけにわからないと思いながら見守った。

 立ち合い、納谷は突っ張って美ノ海の上体を起こそうとするも、低く入られて右のカイナを返されると完全に上体が伸び切ってしまい、抵抗できずに押し出されてしまった。

 取組後、納谷は「全然ダメでした。悔しい」とガックリ。十両土俵入り後の取組は初めての経験で大歓声を浴びたが、「緊張よりも楽しみな気持ちだったけど、しょうもない相撲を取ってしまった」と肩を落とした。

 まだまだ幕下上位とは力の差があるのは、本人もよくわかっている。「全体的に力が足りない。来場所に向けて底上げできるように稽古していきたい」と番付が大きく上がる夏場所での成長を誓った。

文=山口亜土

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