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2019-03-20

相撲編集部が選ぶ春場所11日目の一番 白鵬(上手投げ)貴景勝

春場所の優勝争いは10日目を終えて白鵬が全勝で単独トップ。1敗で平幕の逸ノ城、碧山の2人、2敗で鶴竜、髙安、豪栄道、貴景勝、琴奨菊の5人が追う展開。

※写真上=先場所の雪辱を果たす上手投げで、貴景勝を一蹴し全勝を守った白鵬
写真:月刊相撲

 11日目は1敗の平幕2人の対戦があり、逸ノ城が勝って踏みとどまった。2敗力士も星を落とさず、注目の結びの一番を迎えた。貴景勝が白鵬に勝てば、大関昇進に大きく前進し、優勝の行方もわからなくなる。

 両者の対決は手に汗握る好取組となった。貴景勝が強烈に当たるも、白鵬も右からカチ上げてそれほど下がらない。貴景勝は当たってすぐに叩く動作をし、さらに当たって、また叩こうとした。しかし、白鵬は慌てて出ていかない。先場所は前に出たところをタイミングよく突き落されているだけに同じ失敗はしない。

 貴景勝がぶちかませば、白鵬は張り手を交えて突き返したりと一定の距離を保つ。貴景勝が密着して出ていこうとしたところで、白鵬は右を差すと同時に左上手をガッチリと取った。そして、力の差を見せつけるように上手投げで叩きつける。

 今場所、ここまでで一番盛り上がった一番は白鵬の貫禄勝ち。場所前、大関取りの貴景勝に対し、「ちょっと、邪魔してやろうかなと思っている」と話していた白鵬は、してやったりの表情だ。「間隔を取りながら、じっくり見ていった感じ」と冷静に廻しを狙っていった。これで先場所終盤に敗戦を喫した御嶽海、玉鷲、貴景勝の全員に雪辱を果たしたことになる。

 白鵬の残り4日間の対戦相手は、鶴竜と3大関だが、唯一の1敗の逸ノ城との対戦が組まれるかもしれない。

文=山口亜土

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