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2026-09-02

【NFL】松澤寛政、レイダースの練習生に 国際選手枠から公式戦出場を目指す

プラクティススクワッド入りした松澤寛政=撮影:北川直樹

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 NFLのラスベガス・レイダースが、キッカーの松澤寛政(27)をプラクティススクワッド(練習生)に残した。国際選手向けの特別枠(IPP)での契約で、53人の開幕ロースターには届かなかったが、シーズンを通してチームの施設で練習を続け、条件がそろえば公式戦のフィールドに立つ道が残った。松澤は53人編成でウェイバー公示にかけられ、他球団の獲得がないまま公示を通過して、あらためてレイダースと練習生(PS)契約を結んだ。チームは、彼を手放さなかった。【北川直樹】

PS16人に「+1」可能なIPP枠
 
 松澤はNFLのインターナショナル・プレーヤー・パスウェイ(IPP)2026年クラスに選ばれている。練習生の定員は通常16人だが、IPPの対象選手を抱える球団は、17人まで登録できる。レイダースが練習生を17人にできたのは、松澤がいるからだ。実際、チームはまずキャンプから在籍していた16人と契約し、のちに外部からWRコーディ・ホワイトを加えて、枠を17に埋めた。

 前季、このIPP枠にはオーストラリア出身のラキ・タシがいた。だがオフに退団し、枠は空いていた。レイダースは、そこに松澤を据えた。

 練習生は、53人ロースターに加えることなく試合の登録メンバーへ引き上げる「エレベーション」の対象になる。正キッカーのマット・ゲイに故障や不調があれば、松澤が公式戦のフィールドに立つ可能性は、現実的な話として残っている。

 日本で生まれ育った選手が、53人ロースターに入ってレギュラーシーズンの試合に出場した例は、まだない。2008年に木下典明がアトランタ・ファルコンズの外国人練習生(IPS)枠で帯同したのが、これまでで最も近い到達点とされる。松澤は、その一線の手前に立っている。

1枠をベテランと争ったキャンプ、プレシーズン

 NFLのロースターでキッカーが占めるのは、原則1枠だけだ。パンター、ロングスナッパーと合わせて専門職は3人。控えを置く発想がなく、ポジション争いは勝つか負けるかの二択になる。レイダースは今季、8シーズン蹴ったダニエル・カールソンと別れ、3月にマット・ゲイと契約した。ゲイはキャンプの時点から本命で、松澤は実績あるベテランからその1枠を奪う立場だった。

 プレシーズンは3試合。初戦(8月13日・カージナルス)は38ydのフィールドゴールが右のポストに当たり、キックオフ1本も規定距離に届かなかった。2試合目(8月20日・テキサンズ)では第3クオーターにトライフォーポイントを決め、日本の選手として初めてNFLの試合で得点を記録したが、第4クオーターに2本を続けて外して3本中1本。最終戦(8月28日・49ers)は出番がなかった。フィールドゴールは1本中0本のまま、松澤はカットの日を迎えた。

 それでも、チームは松澤を残した。当面の正キッカーはゲイだが、レイダースは松澤を手元に置き、育てる道を選んだ。

高い次元で求められる、飛距離・高さ・正確性

 松澤に問われる課題は、はっきりしている。飛距離と、スクリメージラインを越える弾道の高さだ。NFLのゴールポストは大学より狭く、スナップからキックまでの時間も平均0.1秒ほど短いとされる。50ydを超える距離への対応と、ブロックを避ける打ち出し角度が、大学とは別に求められる。また、合流したチームメイトとの連携、とりわけスナッパー、ホルダーとのコンビネーションも変数となる。カージナルス戦の38ydも、テキサンズ戦で外した2本も、それらの影響があったことは想像に難しくない。

 ハワイ大では2025年、開幕25本連続成功で43年ぶりのFBSタイ記録をつくり、同大初のコンセンサス・オールアメリカンに選ばれた。だが、その実績はここでは出発点にすぎない。

 レイダースの2026年シーズンは9月13日、本拠地アレジアント・スタジアムでのドルフィンズ戦で開幕する。松澤は練習生として、この1年をチームで過ごす。1枠を争う立場から、いつ声がかかっても蹴れる状態を保ち続ける立場へ。求められるものが、変わった。

北川直樹

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