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2019-03-18

相撲編集部が選ぶ春場所9日目の一番 志摩ノ海(押し出し)豊山

 先場所は東十両11枚目で13勝を挙げて十両優勝を果たした志摩ノ海。新入幕が可能な星勘定だったが、東筆頭に止められてしまった。しかし、本人は「次、勝ち越せばいいんです」と落ち込んだ様子は見せなかった。昨年の九州場所後半から相撲が見違えるようによくなり、自信を持っていたのだろう。

※写真上=東十両筆頭の地位で勝ち越しを決め、幕内昇進を濃厚にした志摩ノ海
写真:月刊相撲

 初日は幕内の土俵で千代翔馬の立ち合い変化にはまって黒星を喫したが、その後は7連勝で、9日目に勝ち越しと新入幕を懸けて幕内の豊山と取組が組まれた。

 共に突き押しが得意な両者。突っ張りの手数では豊山が上回るが、志摩ノ海は下がらない。下から粘っこく押し上げ、逆に豊山の方が突っ張りながら後退。ついに志摩ノ海が押し出した。

「脇を締めて、頭をつけていけば持っていけると思った。いい相撲が取れました。うれしいです」と志摩ノ海はニッコリ。新入幕について聞かれると、「それはよく言われるけど、シャットアウトして、考えないようにした。まだ残りがあるので、ケガをしないように気を引き締めてやりたい」と語る。

 近畿大から入門して順調に番付を幕下上位まで上げたが、左ヒザの靱帯断裂で5場所連続休場している。回り道をした分、喜びも大きいはずだが、喜ぶのは千秋楽を終えてから。

「大阪はむちゃくちゃ懐かしい感じがする。大阪、大好きです」という第二の故郷で、2場所連続の十両優勝も狙う。

文=山口亜土

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