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2019-01-24

相撲編集部が選ぶ 初場所12日目の一番

※写真上=14度目の対戦で初めて白鵬に土をつけた玉鷲は、白鵬と2敗で並んだ
写真:月刊相撲

玉鷲(押し出し)白鵬

 前日に白鵬が初黒星を喫し、優勝争いが少し面白くなってきたが、この日の結果次第では再び白鵬の独走ムードになってしまう。結びで唯一の1敗白鵬と唯一の2敗玉鷲が当たるからだ。白鵬が勝てば後続との差は2に広がり、優勝はほぼ決まり。玉鷲が勝てば、混戦模様となる。

 これまでの対戦成績は白鵬の13戦全勝だが、白鵬の楽勝続きというわけではない。玉鷲が力をつけてきたこの3年ほどは、立ち合いから駆け引きをするなど、相当警戒している。同じモンゴル出身の同年代だが、普段から仲がいいわけではなく、互いに遠慮なくぶつかるはず。

 白鵬は立ち合いから廻しは狙わず、張り手を交えた突き押しで攻め込んだ。玉鷲を土俵際に追い込み、右肩から当たって押し出そうとしたが、玉鷲に左からイナされて泳ぐ。一回転して体勢を整えるも、玉鷲がすぐに逆襲。一気に押し出されて2敗目を喫した。

 2敗で白鵬に並んだ玉鷲は、「止まらずに一気にいこうと思っていた。気持ちよかったです」とニコニコが止まらない。残り3日の対戦相手で残っている役力士は小結の妙義龍だけ。白鵬よりもうんと楽だ。「あとさき考えず、一番一番を大事に取りたい」と初優勝に向け気を引き締めた。

「詰めが甘かった」と悔やんだ白鵬の13日目の相手は3敗と1差で追う貴景勝だ。御嶽海に敗れてから歯車が狂ってしまった白鵬。何となく貴景勝にも負けそうな気がするのだが……果たして。

文=山口亜土

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