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2019-01-15

相撲編集部が選ぶ 初場所4日目の一番

※写真上=3連勝同士の好取組は、勢いに勝る御嶽海に軍配が上がった
写真:月刊相撲

御嶽海(寄り切り)貴景勝

 横綱稀勢の里が引退を発表した4日目、若手同士の好取組が組まれた。新関脇の貴景勝は3連勝と初優勝した先場所の勢いを持続。御嶽海は稀勢の里、鶴竜の2横綱に大関豪栄道を破っての3連勝で波に乗っている。

 これまでの対戦成績は御嶽海が5勝3敗とリードし、貴景勝にとっては関脇以下で負け越している数少ない力士の1人だ。優勝した九州場所でも、御嶽海には敗れている。御嶽海は貴景勝に3連勝中で、攻略法をつかんだ様子だ。

 軍配が返り、両者が低く互角に当たって突き押し合い。御嶽海が左からイナされながらも右を差し込むと、振りほどこうとする貴景勝に腰をススッと寄せて密着状態を保ち、左からおっつけ、最後はハズ押しで上体を起こして寄り切った。

「自分の流れで相撲が取れた。相手の左からの突き落としは警戒していました」と御嶽海の相撲センスが光る一番だった。

 昨年の名古屋場所で優勝した御嶽海は、大関取りの秋場所では9勝に終わり持ち越し。九州場所は7勝8敗と負け越して大関取りは振り出しに戻った。その場所で台頭したのが貴景勝だっただけに、負けられない気持ちは強かっただろう。

 今場所は稀勢の里だけでなく、豪栄道、栃ノ心の2大関もここまで全敗で、鶴竜、髙安もすでに2敗。4連勝の白鵬も薄氷を踏む勝利が続いており、上位陣の衰えは隠せない。今年は世代交代の旗手として、御嶽海が存在感を見せるのではないだろうか。

文=山口亜土

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