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2018-11-25

相撲編集部が選ぶ 九州場所千秋楽の一番

※写真上=焦って出た髙安が御嶽海の掬い投げを食い、優勝決定戦進出を逃す
写真:月刊相撲

御嶽海(掬い投げ)髙安

 貴景勝と髙安が2敗の相星で迎えた千秋楽。3敗力士はなく、優勝はこの2人に絞られている。貴景勝は調子を上げてきた5連勝中の錦木、髙安は三役維持を懸けた御嶽海と対戦。どちらも簡単な相手ではない。

 先に土俵に上がった貴景勝は、かなり緊張した様子で、錦木に攻め込まれたが、相手の引きに乗じて押し返し、バランスの崩れた錦木を叩き込んだ。

 結びで土俵に上がる髙安は、控えで目をパチパチさせて、こちらもかなり緊張しているのがうかがえる。

 勝って決定戦に持ち込みたい髙安だが、立ち合いで御嶽海に中に入られて土俵際まで後退。ここはよく残したものの、御嶽海に頭をつけられて苦しい体勢が続く。髙安は左の差し手から起こして徐々に胸を合わせる。右上手を取るまでは我慢したかった髙安だが、1分を過ぎたところで出ると、右を巻きかえられ右からの掬い投げに崩れ落ちた。

 この瞬間、貴景勝の初優勝が決定。髙安は倒れたまま目を閉じ、しばらく起き上がれなかった。決定戦も考えて、長い相撲で消耗したくなかったのか、勝負を焦ってしまった。

 前日、負け越しが決まった御嶽海だが、「次につながるいい相撲だった」と関脇残留(東から西へ移動)の可能性も残した。

文=山口亜土

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