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2018-11-20

相撲編集部が選ぶ 九州場所10日目の一番

※写真上=埼玉栄高の先輩・北勝富士を圧倒し、単独トップの1敗を守った貴景勝 
写真:月刊相撲

 9日目を終えて1敗で貴景勝が単独トップ。1差の2敗で髙安、大栄翔、碧山、阿武咲の4人が追う展開となっていた。「10日目からが勝負」と語っていた貴景勝にとって、プレッシャーが掛かってくるころで、そろそろ負けるのではと思っていた。

 この日の対戦相手は北勝富士。埼玉栄高校の4年先輩だ。後輩に先に優勝させまいと燃えているはず。過去の対戦は貴景勝の3勝2敗と拮抗している。

 しかし、迷いなく「何も考えずにいけた」と当たっていった貴景勝に対し、北勝富士は迷いがあったのか、完全に立ち遅れてしまう。押し相撲の力士にとって立ち合いの失敗は負けに直結する。北勝富士は簡単に押し出されてしまい、「立ち合いが合わなかった」と唇をかんだ。

 2敗の4力士も全員勝ち、優勝争いの勢力図は変わらず。先頭を走る貴景勝にとって、前師匠の貴乃花親方がいれば心強かっただろうと思う反面、偉大な横綱だった師匠から離れて、のびのびと相撲が取れている気もする。

 泣いても笑っても残り5日。目の離せない終盤戦となった。

文=山口亜土

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