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2018-11-12

相撲編集部が選ぶ 九州場所初日の一番

※写真上=15場所ぶりに関取復帰を果たし、家族の見守る前で白星を挙げた豊ノ島
写真:月刊相撲

豊ノ島(押し倒し)常幸龍

 2年半前の夏場所後に左足のアキレス腱を断裂し、2場所全休して幕下に陥落した豊ノ島。すぐの関取復帰はかなわず、今場所ようやく15場所ぶりに返り咲いた。

 初日の相手は同じくケガに苦しみ、先場所で十両復帰を果たした常幸龍。豊ノ島は低く当たると左ハズ押し、右ノド輪で押し込み、そのまま一気に押し倒した。会場では沙帆夫人と長女の希歩ちゃんが声をからして応援していた。

「家族の前で勝ててよかった」としみじみ語る豊ノ島。

 初心を思い出す意味もあったのだろう。新十両のときにつけた母校・宿毛高校から贈られた化粧廻しで土俵入りに臨んだ。「土俵入りはこみ上げるものがあって泣きそうだった」と泣かないように別のことを考えた。

 復活への第一歩を白星で飾ったが、復活劇はまだ始まったばかり。幕内上位に戻って横綱と対戦するのが一番の夢だ。そして、幕内で対戦したい力士もいる。子供のころからのライバル琴奨菊は、大関から陥落しても引退を先延ばしにして、豊ノ島との対戦を待っている。

文=山口亜土

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