※5日目、阿炎の突きに土俵を割り、2敗目を喫した鶴竜
写真:月刊相撲
名古屋場所は初日から横綱稀勢の里が休場。これで8場所連続の休場となりました。次の秋場所は進退を懸けて出場することになりそうです。
白鵬、鶴竜の両横綱も3日目までは3連勝と順調でしたが、白鵬が4日目から休場。2日目の取組前の準備運動で足を滑らせ、右ヒザを痛めてしまいました。2日間は痛みをこらえて相撲を取ったのですが、4日目の朝に全く足が上がらなくなったそうです。ギリギリまで治療しましたが、回復せず休場届を提出したのが午後2時ごろになってしまいました。通常、11時過ぎに翌日の幕内の割りが組まれるので、2時過ぎに取組を新たに編成する割り返しが行われました。審判部は大慌てでしたが、それだけ白鵬が出場にこだわったのには理由があります。4月に亡くなった父に優勝を捧げたい、その一心だったのでしょう。白鵬も33歳となり、ちょっとしたことでケガしやすくなったようです。
鶴竜は4日目から勢、阿炎に金星を献上して6日目から休場。師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)によると、場所前から右ヒジに慢性的な痛みを抱えていたそうです。3連覇を目指していましたが、力が入らず無念の休場となりました。3横綱が休場するのは19年ぶりのことです。
5日目を終えて全勝は新大関の栃ノ心と関脇御嶽海の2人だけです。栃ノ心は昇進疲れと右手首の負傷が心配材料だったのですが、ここまでは力強い相撲を見せています。横綱がいなくなった今、優勝候補の大本命と言えるでしょう。御嶽海はいつも前半戦はよくても後半に負けが込むのですが、今回は横綱が休んでいますからチャンスです。優勝には届かなくても、二ケタ勝って大関への足場を固めたいところです。
大関陣は髙安が1敗、豪栄道が2敗で追いかけます。ともにカド番ですが、勝ち越しは何とかなりそうです。横綱不在なので、3大関で優勝を争えるように、しっかり栃ノ心についていってほしいと思います。
また平幕にも1敗力士が魁聖、遠藤、千代大龍、妙義龍、栃煌山、朝乃山と6人います。平幕優勝の多い名古屋場所なので、平幕力士にも優勝のチャンスはあるでしょう。
文=山口亜土
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