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2018-03-21

【春場所中盤を振り返って】 全勝は横綱鶴竜ただ1人! 先場所の悪夢を払拭できるか

 大相撲春場所は10日目を終えて全勝は鶴竜ただ1人。1差で追いかけるのも平幕の魁聖だけで、2敗に大関髙安、逸ノ城の2人、3敗に豪栄道、栃ノ心、豊山、大翔丸、勢、碧山の6人となっています。

 先場所も鶴竜は10日目まで全勝でしたが、11日目から大きく崩れて4連敗で優勝戦線から脱落しました。2場所続けて同じ轍は踏みたくないでしょう。今場所の鶴竜は相撲内容的には今ひとつですが、運があります。負けていてもおかしくない相撲が2、3番ありましたが、何とか白星で切り抜けています。優勝するには運も必要で、鶴竜に風が吹いているようです。

 1敗の魁聖は元三役で、上位と当たらなければ、これぐらいの成績は残せる実力者です。終盤は上位に当てられるはずなので、どこまで白星を伸ばせるか微妙です。

 初優勝を目指している髙安は、鶴竜と2差ついているのが厳しいところです。直接対決で勝っても、まだ1差。鶴竜も絶対的ではないので、しっかりとついていけばチャンスはあるかもしれません。逸ノ城は自分に合った立ち合い、戦法がわかってきたようなので、今後も安定して三役を維持できるようになるのではないでしょうか。

 3敗力士は先場所のように鶴竜が崩れることもあるので、可能性がゼロではないですが厳しいでしょう。初場所優勝の栃ノ心は、10日目に豪栄道の注文相撲にはまって3敗目を喫しました。連続優勝なら場所後に大関昇進もあったのですが、悔しい1敗となりました。豪栄道は勝ちたい気持ちが強いときに、こうした立ち合いの変化があります。地元力士なので、大きなブーイングはありませんでしたが、真っ向勝負の見応えのある相撲を見せてほしいです。

 また、今場所の栃ノ心の相撲を見ていると、大関の地力はついてきたなと感じられました。何とか二ケタ以上勝って、夏場所での大関取りにつなげてほしいと思います。

文=山口亜土

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