春場所(3月11日~25日・エディオンアリーナ大阪)がいよいよ開幕します。初場所は白鵬、稀勢の里の両横綱が途中休場する中、ひとり横綱となった鶴竜が抜け出しますが終盤に失速。平幕の栃ノ心が初優勝を果たし、ジョージア出身で初めての幕内優勝力士となりました。
栃ノ心は初場所後の大相撲トーナメントでも優勝。3回戦では本場所では25戦して全敗の白鵬を右四つから寄り切りました。2月半ばから関取衆との申し合いを開始し、稽古量は豊富で初場所同様に好調です。平幕優勝した力士の翌場所は大負けすることが多いのですが、栃ノ心はもともと実力者ですし、2場所連続での大活躍も、今の状態なら可能でしょう。
白鵬、稀勢の里、鶴竜の3横綱には、それぞれ不安があり、出場するかどうかもはっきりしない状況。白鵬は両足の親指を痛めた影響で、本格的な稽古ができていません。鶴竜も初場所後に足首の軟骨除去手術をし、調整が遅れています。稀勢の里は二所一門の合同稽古も不参加で、休場が濃厚と思われます。
そうなると、番付的にも大関の髙安が優勝候補筆頭でしょうか。初場所は大関昇進以降最高の12勝。4日目の栃ノ心戦は先に相手の右かかとが出たようにも見えました。この勝負に勝っていれば、結果がどう転んだのかわかりません。場所前の稽古はピリッとしませんが、徐々に調子を上げていけば初優勝も夢ではないでしょう。
豪栄道はご当所ということで奮起が期待されます。大阪場所は過去6年で12勝が3回。あと一番上積みができれば、優勝ラインに届きます。初場所では初日から7連勝した御嶽海が、後半に入って相撲が消極的になり、結局8勝に終わりました。稽古嫌いと言われていますが、今年になってからはこれまで以上に精力的に稽古をしています。地力はあるので、優勝争いに絡んでくるかもしれません。
また、先場所は奮わなかった貴景勝、北勝富士の巻き返し、ダイエットをやめて好調の逸ノ城、三役まであと一歩の遠藤らの活躍も楽しみな春場所。十両では初の双子同時関取を実現した貴公俊、90キロ台の小兵・炎鵬の新十両2人が注目で、目の離せない場所となりそうです。
文=山口亜土
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