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2017-07-26

【名古屋場所を振り返って】 白鵬、39回目の優勝! 通算勝利数も単独トップに

 名古屋場所は白鵬の39回目の優勝で幕を閉じました。場所前は新大関髙安の活躍や横綱稀勢の里の復活なるかなど、話題が多かったのですが、前半戦で横綱鶴竜、稀勢の里、大関照ノ富士が休場し白鵬の独走状態。中盤以降は白鵬の通算勝利数に注目が集まりました。

13日目、新大関の髙安を下し、通算勝利数で単独トップに立った白鵬

 9日目に千代の富士に並ぶ1045勝を挙げ、史上2位タイとなると、翌日には単独2位に浮上。11日目は御嶽海に不覚を取りますが、12日目に魁皇に並ぶ1047勝を挙げ、史上1位タイとなります。その後も連勝を続け、千秋楽を終えて、通算勝利数は1050勝まで伸びました。白鵬は3年後の東京オリンピックまで現役を続けたいと公言しているので、最終的に1200勝を超えるでしょう。そうなると、今後誰もこの記録を抜くことはできないと思います。

 白鵬の駆け引き重視の立ち合いについて横審から苦言が呈されていますが、何でもできるのが白鵬のすごいところ。全盛期の体力はないのだから、経験と技術を駆使して勝つのは自然の流れでしょう。対戦力士がそこにつけ込んで勝てばいいだけの話です。

宇良、大健闘
初金星を獲得

 休場者続出で盛り下がってしまった名古屋場所を救ったのが宇良でした。東前頭4枚目は横綱と当たらない位置ですが、宇良より上の力士が4人休んだことで、横綱戦が実現しました。8日目、白鵬と対戦した宇良は、左に変わり気味に立った白鵬をよく見て、横綱の右足に狙いを定めます。素早く体を沈めて飛びつく宇良ですが、白鵬は左から引っ張り込み、右を下から差し込むと、右差し手を返して宇良の上体を起こし、一気に寄り進みます。最後は右からの掬い投げで宇良を裏返しに。宇良にスピードでも負けない白鵬の強さが光った一番でした。

8日目、横綱初挑戦の宇良は、白鵬の掬い投げで裏返しにされた

 9日目、宇良と対戦したのは日馬富士。宇良戦の必勝法はじっくりと動きをよく見ることですが、日馬富士は自分のスタイルを崩さず、頭から低く当たっていきました。宇良は左に動いて立ち、横綱の右腕を両手でつかんで、とったりの奇襲。日馬富士はバッタリと落ちました。宇良は初土俵から15場所目で初金星を獲得。NHKの殊勲インタビューでは感極まり、涙を流しました。終盤に右ヒザを痛めて、7勝8敗と負け越してしまったのは残念でしたが、これからも宇良と横綱、大関の対戦は本場所の目玉となるでしょう。

9日目、宇良は日馬富士の出足を利用したとったりで横綱を転がし、うれしい初金星を獲得

 他にも御嶽海、阿武咲、北勝富士ら20代前半の力士が場所を盛り上げてくれました。4横綱が全員30代の今、宇良に敗れた日馬富士がポツリと漏らした「時代が変わるときかもしれないね」との言葉が印象に残りました。

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