※写真上=記録には納得いかなかった大橋だが、8月のパンパシフィック選手権では個人メドレー2冠、アジア大会でも400mを制した
写真◎毛受亮介/スイミング・マガジン10月号P13より
女子個人メドレーのエースとしての地位を築く大橋悠依(イトマン東進)。自身が描いていた形とまではいかなかったが、成長の証しは残した。
重きを置く400mでは日本選手権で2年連続の日本新記録を樹立。200mもシーズンベストが同大会で、その記録を夏の国際大会(パンパシフィック選手権とアジア大会)で上回ることはできなかったが、前出の3大会ともに400mでは4分35秒を切り、200mでも2分8秒台を安定してマークした点は、2017年より地力がついた証拠である。
■日本選手権
200m自由形[2位]1.57.97
200m個人メドレー[1位]2.08.92
400m個人メドレー[1位]4.30.82☆日本新
■パンパシフィック選手権
200m個人メドレー[1位]2.08.16
400m個人メドレー[1位]4.33.77
■アジア大会
200m自由形[4位]2.00.29
200m個人メドレー[2位]2.08.88
400m個人メドレー[1位]4.34.58
■4月:日本選手権
400m個人メドレー決勝/4.30.82
■11月:W杯東京大会
200m個人メドレー決勝/2.05.29※短
400m個人メドレー決勝/4.22.73※短
もっとも、高いレベルの目標があるからこそ、本人は納得いかなかったのだろう。大橋は夏場に思ったような記録を出せなかったことからしばらく気持ちを切り替えられずにいた。それでも秋以降、ワールドカップ欧州シリーズ(短水路)に参戦して刺激を受けると気持ちも前向きに。さらに、新たに取り入れたバイクトレーニングが泳ぎにも効果を発揮し、11月以降の大会では短水路日本新、また長水路でも好記録を連発してきた。度肝を抜いたのは11月下旬の東京スイミングセンター招待(長水路)の200mバタフライ。専門外ながら自己ベストを大幅に更新する2分7秒03をマークし、個人メドレー2種目のみならずこの種目でも2018年日本ランク1位に躍り出たことも、大きな自信を植え付けた。
大橋が倒すべき当面の相手は「鉄の女」と呼ばれるハンガリーのカティンカ・ホズー。打倒・女王を果たすためにもまずは400m個人メドレーで4分30秒を切ることが指針になってくるが、この冬場の厳しい練習ではさらなる成長を遂げていることが見てとれるだけに、2019年への期待はふくらむ。
文◎牧野 豊(スイミング・マガジン)
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