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2018-11-18

【競泳】池江が女子100m自で日本新! 同級生・吉田は男子400m自を自己ベストで優勝

※写真上=100m自由形で自ら保持する日本記録を更新、大会MVPにも選ばれた池江
写真◎小山真司/スイミング・マガジン

 11月18日、東京辰巳国際水泳場にてKOSUKE KITAJIMA CUP 2019・2日日が行なわれ、池江璃花子(ルネサンス/淑徳巣鴨高3年)が100m自由形で52秒79の日本新記録をマークした。ラップは以下の通り(カッコ内は後半50m)。

25.84 52.79(26.95)

 池江は、前日の100mバタフライで納得のいくタイムを出せなかったこともあり(57秒06)、この日は「自分が決めたレースをやりきろう」と臨んだ。具体的には「最初の50mは気持ちよく泳ぎ、75mまで力を貯めるレース」といい、ラスト25mですべてを出しきることを心掛けたという。

「レース前は身体も動いていたし、53秒2が出れば二重丸と思っていた」が、結果は、4月の日本選手権でマークした自身の日本記録を0秒24更新するものとなったばかりでなく、「レース後は疲れも残らず、あと5mは(スピードに乗って)泳げた」と驚きのコメントも残した。

 先月はトルコに短期合宿に赴き、100m自由形、100mバタフライの世界記録保持者であるサラ・シェーストレム(スウェーデン)とともに練習に励んできたが、例年、今の時期に行なうべき持久系のトレーニングを積めていない中での好記録に、「先週のワールドカップ(短水路)もそうでしたけど、前の日に悔しいレースをしたら(次の日に)より良い泳ぎができるようにしたように、今回もそうしました」と、自分が今できるレースプランを遂行することが、結果として好記録につながっていると分析した。

 池江は11月21日から始まる東京SC招待にも複数種目で出場する予定だ。

 一方、前日、男子200m自由形の高校記録を7年ぶりに塗り替えた池江と同級の吉田啓祐(日大豊山高3年)は、この日は400m自由形に出場。萩野公介(ブリヂストン)との勝負となったレースでは、前半から積極的に攻め続け、50mごとのラップでは一度もリードを許すことなく、3分48秒51と自己ベストで優勝を果たした。

「昨日は大ベスト(200mの予選、決勝で計1秒73の自己ベスト更新)だったので、今日もと思いましたが、0秒1でもベストが出たので良かったです。10月のユース五輪後、1週間オフを取って練習を再開しましたが、少し修正することで自己ベストが出たことは自信になりました」

 同級生の池江がシーズンを通して活躍していることについては、「自分と同じ年齢で日本記録をたくさん出して刺激になりますが、自分はそれはまだ難しいレベルなので、少しでも近づけるよう、まずは日本代表に入ることを目指したい」と語った。

前日に続き、自己ベストを更新して400m自由形でも優勝した吉田(中)
写真◎小山真司/スイミング・マガジン

 また、前日に男子50m自由形を大会新で制した中村克(イトマン東進)が100m自由形で48秒43で優勝。「キツい練習をする中で、まずまずの記録です。(新)シーズンの滑り出しとしては良いので、勢いに乗っていければ」と、現在のトレーニングの進捗状況に手応えをつかんでいた。

女子MVPの池江とともにトロフィーを掲げる男子MVPの中村
写真◎小山真司/スイミング・マガジン

 400m自由形では吉田に敗れた萩野だったが、200m個人メドレーでは1分59秒04で優勝。この秋は、過去3年とは違い、しっかり練習を積めている一方、なかなか大会での結果に結びついていないが、「最後はバテたけど、記録は別にして、悪くはなかった。もう少しタイムが出てもいいと思ったけど、2020年に向かうにあたって、今はいろんな経験をしている段階。焦るときもあるかもしれないけど、焦らずに前を向いて取り組んでいます」と、結果に左右されず、一つひとつやるべきことをこなしていくことを再確認していた。

閉会式後に行なわれたドリームマッチでリレーチームを組んだ(右から)萩野、北島氏、池江、中村
写真◎小山真司/スイミング・マガジン

 東京都選手権から独立して初めての開催となったKOSUKE KITAJIMA CUP 2019。今大会はMVPに50万円、日本新記録樹立者に10万円の賞金が設けられたほか、会場でのオリンピック金メダルのブース、特別抽選会、そして閉会式後に行なわれたスポンサーチームとのリレーなど、通常の競技会では見られない企画も盛り込まれた。そこには、参加選手はもちろんのこと、会場に足を運んだ観客を飽きさせない冬場の大会に育んでいきたいという、大会委員長の北島康介氏の思いが反映されたものでもあった。

 次回は2020年1月24~26日の開催予定で、さらに大きな規模の大会を目指していく。

文◎牧野 豊/スイミング・マガジン

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