※写真上=シェーストレムを破り、短水路日本新で優勝を果たした池江
写真◎井出秀人/スイミング・マガジン
国際水泳連盟(FINA)主催の競泳ワールドカップ2018第6戦・東京大会(25m/短水路)の最終日(3日目)が11月11日、東京辰巳国際水泳場にて行なわれ、3つの新記録が誕生した。
まず男子100m背泳ぎでは、短水路世界新が誕生した。昨年のブダペスト世界選手権覇者の徐嘉余(中国)が持ち味のターン技術とドルフィンキックを駆使し、48秒88をマーク。夏のアジア大会でも背泳ぎ3冠に輝いた徐嘉余は、「記録を狙っていたわけではない」と無欲ながらも、クリメント・コレスニコフ(ロシア)の前世界記録を0秒02更新してみせた。
そして女子100mバタフライでは、池江璃花子(ルネサンス/淑徳巣鴨高3年)が前半から積極的なレースを展開。女王、サラ・シェーストレム(スウェーデン)に真っ向挑み、「最後はキツかった」というものの、55秒31の短水路日本新で優勝。短水路、長水路通じて公式戦で初めて、シェーストレムから勝利を奪った。
もっとも、この日の朝、池江が200m個人メドレーで予選落ちした一方、多種目に出場し、100m自由形決勝を残していたシェーストレムの状況を認識し、決して浮かれることはなかったが、それでも「まさか勝てるとは思わなかった。サラ選手からリードを奪ってレースすることがなかったので、不思議な感じでしたけど、勝てたことはうれしいです」と喜びを表した。
前日、女子400m個人メドレーで短水路日本新を樹立した大橋悠依(イトマン東進)は、200m個人メドレーでも「鉄の女」カティンカ・ホズー(ハンガリー)と競り合う展開に。最後の自由形ではターンを含めて力の差を見せられたが、それでもホズーに0秒64差の2分5秒29の短水路日本新で2位に入った。「今日も競り合いで勝てると思ったんですけど。でも自己ベストが出てよかったです」
ほか日本勢では、萩野公介(ブリヂストン)が男子400m個人メドレーで「おそらく人生で初めて」と、午前中のタイム決勝に臨み4分1秒93、また女子800m自由形では後藤真由子(Jaked)がリオ五輪銅メダリストのボグラルカ・カパーシュ(ハンガリー)に競り勝ち、8分19秒74で優勝を果たした。
文◎牧野 豊(スイミング・マガジン)
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