
「スイミング・マガジン」2018年2月号の表紙を飾った今井月(豊川高2年)。毎年、この号はジュニア特集を敢行しており、表紙は高校生以下のジュニア世代から選出。シーズンで最も活躍した選手を編集部の独自の観点で決定し、起用している。昨年の同号はリオ五輪の100mバタフライで5位入賞を果たした池江璃花子(ルネサンス亀戸/現・高校2年)が表紙となり、過去には、のちにリオ五輪400m個人メドレー金メダリストとなる萩野公介、200m平泳ぎで世界選手権を制する渡部香生子らが、高校時代にこの号の表紙を飾ってきた。
今井の表紙起用は、2017年ブダペスト世界選手権の200m個人メドレー5位という結果を受けてのものだ。順位こそ池江(100mバタフライ)、長谷川(200mバタフライ/東京ドーム・高校3年)の6位と大差はなかったが、自己ベストを更新しての5位入賞を高く評価しての「2017年度のジュニアナンバーワン」決定だった。

表紙を開いてすぐのページに採用した『戦闘モード』の今井の写真
その今井が、4月の日本選手権に向け気持ちも、新たに意欲的にトレーニングを行なっている。昨年11月のインタビュー時、「ブダペスト世界選手権での結果はすごく自信になった。だからこそ、この自信を2018年につなげたい」と話していたが、それは2017年の成果を、この年だけのこととして止めたくはない、次につなげてこその好結果である、という強い意志の表れでもあった。
現在、スペイン・シエラネバダで高地トレーニングを行なっている今井。帰国は3月19日の予定だが、ちょうど今ごろは、かなりハードな練習に顔をゆがめながら、それでも歯を食いしばって果敢に挑んでいることだろう。今回は平井伯昌コーチが率いる東洋大に合流する形で出向いており、個人メドレーであればブダペスト世界選手権の200mで銀メダルを獲得した大橋悠依(東洋大4年)、平泳ぎであれば昨年の日本選手権平泳ぎ2冠の青木玲緒樹(ミキハウス)と、しのぎを削っているに違いない。
前述のインタビュー時には、「今年は平泳ぎでも結果を残したい。やっぱり平泳ぎの調子がいいときが、泳いでいて一番、楽しいから」と笑顔で話していたが、その意志は高地トレーニング出発直前に出場した2月のコナミオープン時にも揺らいではいなかった。小学生時代から同年代を牽引する存在だった今井を、日本のトップ戦線に押し上げてくれたのは平泳ぎ。今シーズンは、平泳ぎでも活躍する今井を楽しみに待ちたい。

インタビューは、豊川高の近くの今井オススメのパンケーキが自慢のカフェにて。水泳の実力は世界レベルでも、ふとしたこんなしぐさは普通の高校生そのもの
ところで、スイミング・マガジン2月号の表紙を飾った今井の写真は、豊川高の正門を入ってすぐの中庭で撮った笑顔が愛らしい写真である。しかし表紙を開くと一変。真剣な眼差しの、戦闘モードを思わせる今井の表情を見ることができる。素顔の今井は笑顔の似合う明るい選手。だからこそ、真剣な眼差しの写真はドキッとする表情で、今井の水泳に対する真摯な一面を表現するにふさわしい一枚と判断し、表紙の次のページに採用した。後日、本人に感想を尋ねると、「あれ、ケヤキですか?」の答え。何と察しのいい選手なのだろう。今どきの若者が描く『戦闘モード』を色濃く打ち出したアイドルグループに少しだけ寄せてみたこちらの意図もしっかりと受け止めてくれていた。
そんな今井月――。今年もフル回転での活躍に期待したい。
文◎桜間晶子
※今井が出場予定の日本選手権女子200m個人メドレーは大会3日目/4月5日(木)に予選、準決勝、4日目/4月6日(金)に決勝、200m平泳ぎは大会5日目/4月7日(土)に予選、準決勝、6日目/4月8日(日)に決勝が行なわれる
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