陸上競技の世界一を決する世界選手権が、9月27
日、カタールの首都ドーハにて開幕した。
大会初日は男子走幅跳予選から競技がスタートし、日本勢は城山正太郎(ゼンリン)、橋岡優輝(日大3年)、津波響樹(東洋大4年)の3名が出場。
2回目に8m07(-0.7)を跳んだ橋岡が全体の3位、1回目に7m94(-0.6)をマークした城山が同8位で、28日の決勝に進出。津波は7m72(-0.1)の全体18位で、予選敗退となった。
日本勢の決勝進出は、1997年アテネ大会の森長正樹(ゴールドウイン)以来、22年ぶり。2名が決勝に進むのは、日本史上初の快挙となる。
写真上=男子走幅跳で28日の決勝に進出した城山正太郎(左)と橋岡優輝(撮影/中野英聡・陸上競技マガジン)
橋岡優輝(日大3年)の1回目の跳躍は7m64(-1.1)。昨年のU20世界選手権、今年のアジア選手権、ユニバーシアード・ナポリ大会を制するなど、国際大会の豊富な経験を有していても、世界選手権は特別な舞台だった。
「1本目は雰囲気にのまれたところがあって、助走がテンポ走みたいだぞ、と森長(正樹)コーチに言われるくらいひどかったです」
しかし、そこでしっかり切り替えられるところが、日本選手権3連覇者たるゆえんだろう。2本目には8m07(-0.7)を跳び、全体の2位に浮上。決勝進出を確実なものとし、負担を考えて3本目はパス。最終的には同世代であるフアン・ミゲル・エチェバリア(キューバ)の8m40、ジェフ・ヘンダーソン(アメリカ)の8m12に続き、全体の3位で決勝進出を決めた。
「まずは、ほっとしました。通過だけを考えていたので、3位通過は上々だと思います。ただ、予選から全開でくる海外選手はいないので、決勝では、その力をしっかり受け止めて答えられるように。自分の力を出し切りたい」
どんな舞台であろうと。いつもどおりを心掛ける。自信に裏打ちされた平常心で決勝での飛躍を誓った。
8月に8m40(+1.5)の日本記録を樹立した城山正太郎(ゼンリン)。
1回目から7m94(-0.6)と記録を残し、全体の8位で決勝に駒を進めた。
「記録は低かったですが、しっかり通過できて良かったです。アップの段階でスピードがあると感じていました。素直にそのスピードを生かして跳躍ができたと思います」
2回目は7m64(+0.2)、決勝進出をより確実にするため挑んだ3回目はファウルと記録を伸ばせず。求めているのは、日本新記録をマークしたときの助走の感覚だ。
「8m40を跳んだときのような助走で入れば、しっかり踏み切れると思う。そこだけを意識して決勝に臨みたいです」
入賞を目標にドーハに乗り込み、橋岡と共にファイナルへ進む。「一つでも上の順位で」。あくまでも謙虚に、決勝への抱負を語った。
日本勢がこの種目で2名決勝に進出するのは史上初。決勝は28日20時40分(日本時間29日4時40分)から行われる。さらなる快挙の続きを期待したい。
文/石井 亮(陸上競技マガジン)
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