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2018-06-11

グローバル・ランニング・デイ ── 来年6月第1水曜日、お忘れなく。

 毎年6月の第1水曜日は「グローバル・ランニング・デイ」。ランニングの楽しさを分かち合うことを目的に、世界各地でさまざまなランニングイベントが行われる。今年は6月6日がグローバル・ランニング・デイに当たり、日本では駒沢公園(東京)で「Outrun the Sun」が行われた。

ランニングで世界がつながる日

 これは国際陸上競技連盟(IAAF)会長のセバスチャン・コー氏の呼びかけで企画されたもので、世界24都市で開催される1マイル(約1.6km)のファンランイベントだ。全世界で1時間ごとにスタート。日本のスタート順は世界で3番めで、メルボルン(オーストラリア)から受け取った“1マイルのバトン”を北京(中国)につないだ。

思い思いのペースでスタートする参加者たち

 当日はあいにくの雨ながら、駒沢公園には約400人を超える一般ランナーが集まり、駒沢公園ジョギングコースを思い思いのペースで走った。17時スタートと会社勤めの方にとってはハードルが高かったが、半休をとって参加するランナーもあった。

 男子50km競歩の荒井広宙(自衛隊体育学校)がこのイベントの日本のシティーキャプテンを務めたほか、北京オリンピック4×100mリレー銀メダリスト高平慎士らのトップアスリートも参加し、イベントを盛り上げた。また、駒大、日体大、明大の大学生ランナーもペーサーを務めた。

 ランニングデイなのに“ウォーカー”というツッコミはさておき、荒井選手が一般ランナーとともに50km競歩のレースペース(約4分30秒/km)で“歩く”と、「速いっ!」という歓声も上がった。

 世界競歩チーム選手権の直後だったが、荒井は「あいにくの雨を吹き飛ばすような盛り上がりで良かった。一緒に走った皆さんにも“競歩、速い”などと言っていただいて、僕自身も予定していた以上に速いペースで楽しく歩くことができました。なかなか市民ランナーと一緒に歩く、走る機会はないので、本当に貴重な経験をさせていただきました。こういったイベントも大切に、1年1年を大切にしながら、東京オリンピックでの結果にしっかりつなげていきたいと思います」と、参加者から刺激をもらった様子だった。

50km競歩のスピードは市民ランナーのフルマラソン以上! オリンピックメダリストのスピードで参加者を驚かせた荒井選手

 ファンランは約20人ずつのウェーブスタートで行われ、走り終わったランナーが、フィニッシュを迎えるランナーをハイタッチで出迎えるなど、会場は一体感に包まれた。

「Outrun the Sun」の後には、日本独自のプログラムとしてスペシャルクリニックが開催された。その内容は…。

 高平慎士「五輪メダリストに学ぶ!バトンパス&スプリント講座」
 加納由理(世界陸上ベルリン大会女子マラソン7位入賞)「加納さんとペーランしよう!長距離講座」
 谷井孝行(アテネ・北京・ロンドン・リオ五輪4大会出場)「スプリント、跳躍にも役立つ! 競歩ドリル講座」
 横田真人(800m元日本記録保持者)「乳酸と友達になろう! 中距離講座 ~ショートインターバルでレース感を磨こう〜」

 無料のイベントながら、超豪華講師陣が細やかに指導を行う充実ぶり。
 また、17時スタートのイベントに参加できなかった方もランニングを楽しめるようにとの配慮から、駒沢オリンピック公園総合運動場が無料で開放された。

 世界中のランナーが走ることを楽しむ「グローバル・ランニング・デイ」。来年の予定に、加えてみては?
 文/和田悟志
撮影/田中慎一郎

走り終えた参加者をハイタッチで迎えたのは、川内優輝選手と設楽悠太選手…のそっくりさん。イベントを盛り上げた

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