コンディショニングとは「目的を達成するために必要と考えられる、あらゆる要素をより良い状態に整えること」を意味する。選手それぞれが持つ個性をパフォーマンス発揮へとつなげるための情報を得て、しっかりと活用しよう。
※本記事はベースボール・クリニック2018年8月号掲載「野球のコンディショニング科学~知的ベースボールプレーヤーへの道~」の内容を再編集したものです。

体を冷やすことで心身共にリフレッシュ

画像: 体を冷やすことで心身共にリフレッシュ

 実際に実施した中で、特に良い効果を発揮した具体例を紹介します。

 図Dを見てください。夏場に体温が高くなり過ぎて、興奮状態になっていると、心地良い睡眠の妨げになります。ですので、特にナイターゲームや夜遅くまで練習をして、その後速やかに就寝しなければならない場合に有効です。プロ野球のトレーナーや選手に紹介したところ、選手の感覚も良好だったようです。

 また、体温が高過ぎると、練習後に食事を摂取できないこともあります。そのときにも、体温を下げて心身共にリセットした状態のほうが食事を摂取できるようになります。

 心理的ストレスがある場合、特に興奮して交感神経優位な場合には、冷却することでドーパミンとセロトニンのバランスを調整することができ、興奮を沈静化させるとも言われています。

 そして、先述したように、ハードワークをして全身に痛みや張りがある場合、炎症症状をいち早く沈静化するためにも有用です。

 昔は「野球選手は水に浸かっていけない」と言われていたこともありましたが、今ではコンディショニング方法の一つとしてアイスバスは多くのスポーツ選手に活用されており、近年ではプロ野球でも積極的に実践する選手が出てきています。

 夏場で疲れた体をリセットして、翌日の試合あるいはハードな練習に臨むためにも、アイスバス実施の注意点を守った上で活用してみてはいかがでしょうか。

かさはらまさし/1979年千葉県出身。習志野高校―国際武道大学。高校まで野球部で活動し、3年時には主将。大学卒業後は同大学院を修了し、国際武道大学トレーニング室のアスレティックトレーナーとして勤務。その後は鹿屋体育大学大学院博士後期課程を修了し、2015年にはオーストラリア国立スポーツ科学研究所客員研究員としてオリンピック選手のサポートを歴任。専門はアスレティックトレーニング、コンディショニング科学。現在は国際武道大学にてアスレティックトレーナー教育を行いながら、アスリートの競技力向上と障害予防に関わる研究活動を行っている。学術博士(体育学)、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト、日本トレーニング指導者協会公認上級トレーニング指導士、JPSUスポーツトレーナー。

文責◎ベースボール・クリニック編集部

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