新型肺炎の影響で開幕が延期となっているプロ野球だが、各球団の調整は進んでいる。その中で注目を集めているのが新フォームでシーズンに挑もうとしている巨人のエース・菅野智之だ。腕を先行させた動作を強調するフォームの狙いとは?

鴻江理論で“うで体”に分類

 2020年1月中旬、菅野智之の姿は福岡県久留米市にあった。動作解析の専門家で、ヒトの体は骨盤の左右の傾きによって猫背タイプの「うで体」と反り腰タイプの「あし体」に分類されるとし、それぞれの動きに合った動作を提唱する鴻江寿治トレーナーが主宰する自主トレに参加するため。昨季、11勝を挙げた菅野だが、腰痛の影響で離脱したこともあり、決して満足がいく1年ではなかったことを受け、そこでは大きな変化を受け入れた。

写真/ベースボール・クリニック

 鴻江トレーナーによると「うで体」タイプの菅野だが、以前のフォームは「あし体」の要素が強いもので、それが体の歪みを生じさせていた可能性があるという。具体的には左の骨盤が後傾し(開き)、右の骨盤が前傾している「うで体」の右投手は投げる方向に体が回っていきやすい体のつくりになっている。そのため、体の右サイドでしっかりとタメをつくって力をためて投げることが大事になるのだが、鴻江トレーナーは、それまでの菅野のフォームはその点が不十分だと見て取っていた。

「菅野選手も30歳を過ぎ、体の柔軟性が落ち始める年代になり、余計に体のひねりが使いにくくなっていたようです」

 新フォームは始動時に合わせた両手を先行させて右肩の前に引っ張ることで上体のひねりを先につくるのが特徴的。さらに、レッグアップ時には両手を右腰の前に落とすことで軸脚側に重心を寄せ、タメをつくりやすくする狙いがある。

 3月13日時点で4試合に登板したオープン戦では、計17イニングを投げて防御率1.59と好調をキープ。腕を先行させる「アームファースト投法」で、エースは今季さらなる進化を見せる。

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