2020シーズンのJ1リーグで首位を走る川崎フロンターレがリモートによるスカウトを行なっている。それが「F活」。今年はスカウトにとってもコロナ禍の影響が少なくない中、どんな方法でスカウト活動をしているのか? 「F活」を担当している2人、強化部長の山岸繁さんとスカウトの大田和直哉さんに話を聞いた。

上写真=川崎フロンターレの育成組織で指導を受け、筑波大学でのプレーを経由し、現在は育ったクラブに戻って活躍している三笘薫(写真/©KAWASAKI FRONTALE)

取材・構成/杉園昌之

リモートスカウトを始めた理由

――川崎フロンターレのアカデミーが6月末から始めたリモートスカウト活動「~F活~」とは、どのようなものなのですか?

山岸 指定のフォームに最大5分の自己紹介を入れたアピール動画と20分未満の試合動画をアップロードしてもらい、それをスカウト及びアカデミースタッフ陣がチェックする形になります。今回の対象は現小学5年生(U-11クラス)です。基本的に川崎市内の練習場で行なわれるフロンターレエリートクラス活動に自宅から通える範囲の選手たちになります。うちはジュニア、ジュニアユース、ユースも含めて選手寮はありませんので。

大田和 応募は簡単です。スマートフォン1台で登録できます。動画共有サイトへの登録などは必要ありません。

――エリートクラス活動のことを具体的に教えてください。

山岸 現所属チームの活動を優先しながら、毎週1回のみフロンターレでトレーニングを行なう特別なスクールです。フロンターレのジュニア、ジュニアユースのコーチ陣が直接指導するのも売りのひとつになっています。現在U-12(現6年生)、U-11(現5年生)、U-10(現4年生以下)のいずれも10数人と少ない人数で活動しています。

大田和 技術レベルの向上はもちろんですが、一番は刺激を受けてもらいたいと思っています。実際にフロンターレではこのような指導をしているんだ、と体験してほしいですね。エリートクラスとジュニアで練習試合をすることもありますし、合同でトレーニングすることもあります。

――エリートクラスの人数を見ると、入るのも難しいのですね。

大田和 毎年、すごい倍率になっています。簡単には入れない状況です。

――エリートクラスのセレクションがある中でも、リモートスカウト活動を始めたきっかけを教えてください(取材は8月4日)。

大田和 2年前からアカデミー部門にもスカウトが置かれており、現在は私ひとりが担当しています。そうなると、どうしても直接足を運べる機会と場所は限られてしまうんです。これまでもチェックするのは、強豪と呼ばれるところが中心でした。強いチームが集まる招待大会などに出向き、まとめて何試合も見ることが多かったです。ただ、それだけでは見逃してしまう選手も出てきます。公式戦で早々と姿を消すようなタウンクラブにも、可能性を持った選手たちはいます。実際、私がお目当ての選手を見に行ったとき、偶然別の試合でいい選手を見つけて、エリートクラスに勧誘したことがありました。今回のリモートスカウト活動では、そういう選手たちを発掘できれば、一番うれしいですね。夏の練習試合などを収めてもらい、締め切りの8月末までに100本くらいの動画が届くことを期待しています。

――コロナ禍の影響もありますか?

大田和 生活様式が大きく変わったことで、一つのきっかけになりました。今年度は強いチームをまとめてチェックする大会が縮小されたり、中止になっていますから。今後は週末に練習試合を視察に行き、送られてきた映像を平日にチェックするというスタイルになるかもしれないです。

――具体的にどのような形で映像をチェックしていくのですか?

大田和 リモートスカウト活動は、セレクションのように選手を選ぶわけではありません。私たちから何も接触がなくても、もう可能性がないと思わないでほしいです。仮に3年生でひっかからなくても、4年生でまた送ってもらえればいい。どんどんチャレンジしてもらいたいです。リモートスカウト活動は今回限りではなく、ほかの学年にも広げていく予定ですし、これからも続けていこうと思っています。

山岸 動画を見て、気になればスカウトが直接見に行くこともあるでしょう。そこでエリートクラスへの加入が決まらなくても、スカウトからアドバイスすることもあります。


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