東京五輪のマラソン日本代表(男女各上位2名)を決めるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)男子は、設楽悠汰(Honda)がスタート直後から独走、一時は第2グループに2分近い差をつけるときもあったが、37km過ぎに第グループが設楽をとらえると、40km過ぎからは中村匠吾(富士通)、服部勇馬(トヨタ自動車)、大迫傑(Nike)の三つ巴のデッドヒートに。そんななか、先に仕掛けた中村が上り坂でもペースを落とすことなくそのまま逃げ切り、駒澤大出身では初めてのオリンピックマラソン代表内定となった。

写真上=東京五輪代表内定を勝ち取った中村(左)と服部
撮影/田中慎一郎(陸上競技マガジン)

 2位争いは服部と大迫のし烈な争いとなったが、最後は服部が制し、代表内定を勝ちとった。

 東京五輪代表の3枠目は、今後行われる3大会においてMGCファイナルチャレンジ設定記録(2時間5分49秒)を突破した最上位者(MGC出場資格保持者および今大会完走者)となるが、もし該当者が出なければ、今大会3位の大迫に代表内定が与えられることなる。

 男子の日本記録は大迫が2018年のシカゴマラソンでマークした2時間5分50秒である。

 以下、主なMGC出場選手のコメント。

中村匠吾(富士通) ※代表内定
男子1位 2時間11分28秒

「MGCの出場権を獲得してから1年半、いろんな方々の支えを受けながらこの日を迎えられました。勝負どころを具体的には決めていませんでしたが、余裕を持って走れていたので40kmくらいで仕掛けるのがベストかなと思っていて、実際にうまく仕掛けられたのでよかったです。(ラスト1kmくらいで大迫に追いつかれたとき)正直、少し焦りましたが、試走のとき、ラスト800mくらいでまた坂があることを認識していてそこがまた勝負になると思っていたので、落ち着いて走れたと思います。最後まで3人の争いになりましたが、自信を持って走ることができました。

 ここ数日の予報ではそこまで気温は上がらないのかなと思っていましたが、42kmトータルで走ることを心掛けました。7月、8月、東京で試走しましたし、設楽選手は会見で話していたように(2位以下に)2分以上差をつけて独走する形になりましたが、そこでも焦らず集団の中で走れました。ほかの選手も含めて42kmで勝負するという雰囲気だったので、自分も後半勝負と考えていました。

 この3カ月、すべてが順調にいったわけではなかったのですが、8月のアメリカ合宿で調子が上がってきていたので、あとは勝負どころをしっかり見極めることが大切だと感じていました。

 4強(大迫、設楽、服部、井上大仁)といわれるなか、逆に自分はプレッシャーなく臨めたのがよかったと思います。自分自身ももっと上にいかなければと思っていますし、またこれからも頑張っていきたいと思います」

画像: 終盤のスパートで先手を打ち、そのままアドバンテージを広げて1位となった中村 撮影/田中慎一郎(陸上競技マガジン)

終盤のスパートで先手を打ち、そのままアドバンテージを広げて1位となった中村
撮影/田中慎一郎(陸上競技マガジン)

服部勇馬(トヨタ自動車)※代表内定
男子2位 2時間11分36秒

「夏のマラソン、気象条件の厳しいマラソンは初めてだったので、冷静に、流れに任せていこうと思いました。設楽さんが先に出て、少し戸惑いましたが、とにかく冷静に走りました。勝負は40km過ぎでいければと思いましたけど、中村さんに先にいかれ、そのままゴールまでいかれてしまいました。ただ、上り坂は対策をしっかりしてきたので、自信を持って走りきれたと思います。

(40km過ぎから中村と大迫)2人が抜けだしたけど、上りは自信がありました。1度は抜かれはしましたけど、大迫さんが後ろを振り返ったので、もしかしたら抜かせるかも、と思い、踏ん張れたと思います。正直どこで抜かしたかは覚えておらず、気づいたらゴールの目の前になっていたという感じです。上り対策については、菅平合宿で40km走を取り組んだ翌日に、須坂から菅平まで箱根駅伝の5区並みの上り坂を上がったりして、自信をつけていきました。

 今回のレース前に、試走は通しではやりませんでしたが、土日に東京に来たときの朝に、回数は5~8回くらいしたと思います」

大迫 傑(Nike)
男子3位 2時間11分41秒

「正直、力負けです。結果を真摯に受け止めて、これからも取り組んでいきたい。やっぱりわかっていたことなんですが、設楽選手が先に出たときに、普段なら(自分が)もう少し後ろにいるのですが、焦ってしまったというか、思ったよりも先に出てしまった。アップダウンにいちいち対応して、最後、脚が残っていなかったと思います。

 設楽選手に、もう一人ついて行ったら自分もいこうと思っていましたが、ひとりだったので、いかなかった。結果的には追いついたのでそれは良かったと思いますが。

 ラスト1000mから仕掛けられたらと思ったのですが、脚(の体力)が残ってなかったので、きつかったですね。(39kmくらいで中村匠吾がスパートしたとき)かなりいっぱいいっぱいでした。最後は2位になんとかと思いましたが、最後の短い坂でやられてしまった。

 今後は(3位の立場で)待つしかないのか、ファイナルチャレンジで自己ベストをもう1回狙っていくのかは コーチと相談していければと思います」

佐藤悠基(日清食品グループ)
男子23位 2時間20分13秒

「やっぱりマラソンって難しいなっていうのを改めて感じたレースでした。8月頭と9月に体調を崩して、自分の中で大丈夫と思ってあげてきたので、そういうところで、ごまかしが効かないなと感じた。最後、チャンスがあるので、ミスなくしっかりと体をつくっていきたいなと思います。

(設楽選手が飛び出した。焦りは?)焦りはもう…。ある程度、走られた時点で。最後30kmを過ぎてどうなるかというところはあったので、そこは後ろの集団で力をためてというのはあった。そんなに慌てるというのはなかった。20㎞過ぎてすでに足が痙攣していて、最後ペースを落としても、だんだん切れなくなって、最後走り切れてよかった」

設楽悠太(Honda)
男子14位 2時間16分09秒

「やりきりました。25km地点で厳しい感じでしたけど、あまりよく覚えてないです。思う通りのレースはできたと思いましたし、後ろから(グループが)来ることも予想はしていました。今は休みたいです。(後悔は?)ないです」

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