◆11月3日/全日本大学駅伝
 7区のエース区間で堂々たる走りっぷりを披露した。10月の出雲駅伝では区間2位と好走した駒澤大のルーキー・田澤廉が、全日本大学駅伝は圧巻の強さで区間賞を獲得。区間2位となった青山学院大の吉田圭太(3年)には13秒差をつけた。記録は52分09秒。それでも、本人は大喜びするわけでもなく、ゴール後はひょうひょうとしていた。

※写真上=堂々の走りっぷりで7区区間賞を獲得した田澤
撮影/中野英聡(陸上競技マガジン)

「結果を残せたことは良かったですが、もっと走れたと思います。満足はしていません。そこまでいい走りができたとは思っていないです」

 そっけない言葉とは裏腹に文句のない快走だった。8位で藤色のタスキを受けると、序盤から淡々とタイムを刻んだ。5000mの自己ベストは13分41秒82。自慢のスピードを存分に生かした。すぐに東京国際大の内山涼太(4年)を捉えると、余裕の表情でぐんぐんと進んでいく。

「僕は前へ、前へ、行くしかなかったので。山下さんだけに頼るわけにはいきませんから。少しでも楽をさせたい一心でした」

 伊勢路を騒然とさせた1年生の強さはここからだ。5km地点を通過してからもペースを落とさず、ひたすら突き進む。順天堂大の澤藤響(3年)、国学院大の茂原大悟(4年)、早稲田大の新迫志希(4年)の背中を次々とつかまえ、気がつけば計4人抜き。他校の主力が集まる区間だっただけに大きなインパクトを与えた。

 終盤、一人旅になっても、大きなストライドで地面を蹴り、ダイナミックなフォームでタイムを縮めてタスキをつないだ。アンカーの山下一貴(4年)が一人抜いて3位まで順位を上げたのも、7区の好走があったからこそだろう。普段は手厳しい大八木弘明監督は、1年生の大奮闘に満足そうな笑みを浮かべていた。

「箱根に向けて、順調に仕上がっています。あれくらいで走るとは思っていましたが、箱根の前に17㎞を走らせてみたかった。これで走れることが分かりました。これで箱根も大丈夫かな」

 本人は先輩たちに遠慮し、自らをエースと認めることはしないが、その働きぶりは大黒柱と言っても過言ではない。意欲も十分だ。

「箱根はまだどの区間かは分かりませんが、任された区間で区間賞を取ります」

 言葉には大きな自信がにじんでいた。

文/杉園昌之

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