前回の箱根駅伝で日体大は13位に沈み、4年ぶりにシード権を逃した。名門復活のキーマンとなりそうなのが1年生の藤本珠輝だ。予選会ではチーム一番手、日本人ルーキートップの14位。箱根で狙うのは1年生区間賞だ。

写真上=予選会では転倒しながらも、チーム一番手に。日体大の3位通過をけん引した
撮影/両角昭男(陸上競技マガジン)

 日体大のスーパールーキーの勢いが止まらない。藤本珠輝は10月の予選会から好走し、チームトップの1時間03分54秒でフィニッシュ。気温が高く厳しい条件のなか、堂々たる走りっぷりを披露した。それでも、本人はラストの切り替えに納得しておらず、「もっと走れたと思います。62分台を狙うつもりでした」と苦笑していた。

 それから約3週間後である。全日本大学駅伝を回避し、気合を入れて臨んだ11月17日の上尾シティハーフマラソン。予選会で出した自己ベストを1分以上更新し、1時間02分46秒をマークした。口だけではない。夏以降もスタミナの強化に取り組んできた成果をきっちり出した。箱根の本戦に向けて、不安はない。むしろ、胸を高鳴らせている。

「箱根を走る以上、区間賞を狙っていきます。西脇工高(兵庫)の先輩でもある中谷圭佑さん(現・コモディイイダ)は、駒澤大の1年生のときに区間賞(4区)を取っています。力は違うかもしれないですが、僕も不可能ではないと思っています」
 目は本気である。同学年で出雲と全日本で大活躍した駒澤大の田澤廉には大きな刺激を受けている。
「すごいと思いますが、負けてはいられないです」

 陸上には人一倍ストイックに取り組んでおり、誰よりも向上心を持つ。選手寮の同部屋である4年生の廻谷賢は感心していた。
「1年生ですが、見習うところは多いです。チームの中で一番意識が高いと思います」
 食事面から生活リズムまで、すべて陸上中心に考えていると言っても過言ではない。本人に水を向けると、特別な意識は持っていないとさらり。
「高校時代からずっとそうでしたから」

 練習だけでは手強いライバルに勝てないことを知っているのだ。強くなることにどこまでもどん欲で、普段の生活から節制することを一切いとわない。高校時代から己を信じて、ブレずにトレーニングに取り組んでいる。
「自分を信じ続けていれば、必ず結果につながる」

 前回は13位に沈んで4年ぶりにシード権を逃した日体大。今季は新戦力の台頭もあり、確実にレベルアップしている。10度の優勝経験を誇る名門復活のカギは、妥協を知らない1年生ランナーが握っているのかもしれない。

ふじもと・たまき◎2001年1月14日生まれ、兵庫県出身。陵南中→西脇工高(兵庫)。自己ベスト10000m30分14秒18(大1)、ハーフマラソン1時間02分46秒(大1)

文/杉園昌之

画像: 【箱根駅伝】日体大復活のカギを握る1年生の藤本「区間賞を狙っていく」

おすすめ記事

陸上競技マガジン 2020年1月号


This article is a sponsored article by
''.