3年前、1年生で主将に任命されて以降、注目を集めてきた中央大の舟津彰馬。これまで競技者としての葛藤と向き合いながらも成長を遂げてきた。迎える学生最後の箱根駅伝、充実した表情で締めくくることができるか。

 舟津彰馬を見ていると、大学生の4年間というものは、瞬く間に過ぎてしまうことを実感する。

写真上=激動の4年間を締めくくる箱根で、舟津は充実の表情で終えることができるか?
撮影/中島奈津子(陸上競技マガジン)

 入学してすぐ、監督が藤原正和氏に交代。藤原新監督は部内の雰囲気を一新させるため、1年生の舟津を主将にする荒療治を行った。しかし、その2016年の箱根駅伝予選会では11位に沈み、中大の連続出場記録は途切れた。卒業生、ファンを前にして、舟津は涙を見せ、言葉を振り絞った。

「もし、先輩方に文句を言うような人がいたら、自分が受けて立ちます。自分にすべてぶつけてください。先輩に心ない声や、そんなことを言うような人がいたら、自分は許しません」

 舟津は向上心の塊だった。駅伝シーズンが終わると、アメリカに行き、スピードを重視した練習環境も経験。3年生に進級したての2018年4月21日には、1500mで3分38秒65(現・日本歴代8位)の好タイムをマーク。

 ただ、そうした経験が新たな葛藤を生んだ。

「アメリカでは競技に集中できる環境が整っていましたが、日本に帰ってくると大学生活との両立を考えないといけません。朝練習は必要なのか? 主将としての自分を優先させるのか、それとも競技者としての自分を優先させるのか。いろいろと考えましたね」

 悩みながらの学生生活。今季は日本選手権の1500mに出場した後、夏合宿ではロングランにも積極的に取り組んだ。

「夏合宿での舟津さん、すごかったです。いつも先頭を引っ張って、絶好調でしたね」

 舟津からは、駅伝主将としてのプライドがみなぎっていたという。予選会では前半突っ込んだせいで後半に苦戦をしたが、本戦には自信をのぞかせる。

「夏合宿の貯金があると思うので、本戦にピークを合わせ、納得のいく走りを見せたいです」

 これまで2度走った箱根駅伝では、納得いく走りが出来ていない。2年の時は1区を走って区間12位、3年では6区で区間17位。今回こそは結果を出したい。

「必要とされた区間で結果を出します」

 2年生のとき、「1区で勝負したいです」と言っていたことを思い出した。4年となり、自分のことよりも、「中央」のこと、チームのことを優先させるようになったんだな――。そう思うと、感慨深かった。

 箱根でのラストラン、舟津の充実の表情が見てみたい。

ふなつ・しょうま◎1997年9月25日生まれ、福岡県出身。野間中→福岡大附大濠高(福岡)。自己ベスト10000m28分35秒07(大2)、ハーフマラソン1時間02分49秒(大3)。

文/生島 淳

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