神奈川大のエース・越川堅太は3年前、一度は箱根駅伝の先頭に立った経験のある選手だ。今季はケガ等に苦しいシーズンに。それでも必死に向かってきたのは、すべては「あの光景」を再び目にするためである。

 2016年春、神奈川大には有力な新入生が多数入学してきた。高校3年時の5000mの全国ランキング50位以内の選手が5人も入り、「神奈川大復活」を予感させた。
 実際、この学年は2017年、2年生のときの全日本大学駅伝優勝に貢献したが、5区で区間賞を獲得しその中心存在となったのが、1年生から箱根駅伝を走った越川堅太(4年)である。

上写真=越川は最後の箱根で再び箱根の先頭に立つことを目標にしている
撮影/大賀章好(陸上競技マガジン)

 神奈川大の大後栄治監督は、越川にずっと期待をかけてきた。

「スピードがあります。トラックもいいだろうと思いますが、しっかりと距離を踏めれば面白い選手になるでしょうね」

 ただし、箱根駅伝では苦戦を強いられた。1年、2年と3区を任され、それぞれ区間17位、11位。前回は2区を任されたが、区間15位と一ケタにはなかなか届かない。

 そして迎えたラストシーズン、4年になった越川は常に必死だった。関東インカレの5000m、全日本大学駅伝の予選会でも積極果敢なレースを挑んでいた。

 秋に入ってからは、残念ながら順調とは言い難かった。9月中旬に左足裏を痛め、およそ1カ月、練習を中断。予選会にはなんとか間に合わせたが、チーム内では7番手、総合では71位にとどまった。それでも、12月に入ってからは不安を払拭すべく、必死に距離を踏んできたという。

「チーム練習は1週間に150~180kmですけど、僕は250~300km走っています」

 これまでの箱根駅伝では、1年生の経験が忘れられないという。

「2区で鈴木健吾さん(現・富士通)が先頭に立ったんです。そのおかげで3区の僕も先頭を走れて。あの景色は忘れられないです。特に僕は目立つのが好きなので(笑)。チームメイトには、先頭であの景色を見させてあげたいです」

 最後の箱根駅伝では、1年、2年で走った3区で走ることを熱望している。

「3年生の北崎(拓矢)、井手(孝一)のふたりは2区を任せられる頼もしい後輩なので、僕は3区を走ってトップまで持っていきたいですね。4区以降のチームメイトに先頭を走る景色を見せたいんです」

 越川が納得の走りを見せれば、神奈川大として面白いレース展開に持ち込めそうだ。

こしかわ・けんた◎1997年12月16日生まれ、神奈川県出身。金沢中(神奈川)→東京実高(東京)。180cm、58kg。自己ベスト10000m28分53秒11(大3)、ハーフマラソン1時間02分51秒(大3)

文/生島 淳

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