前回の箱根駅伝で5位と健闘した帝京大。だが、5区で16位だった小野寺悠(3年)には悔しさが残った。奮起したこの1年は、出雲駅伝区間賞、ハーフで帝京大記録を打ち立て、「自信」をがっちりつかんで箱根に臨む。

写真上=帝京大の新エース候補、小野寺悠(3年)。前回は5区を走ったが、今回は平地の主要区間での起用か
撮影/中野英聡(陸上競技マガジン)

 力は確かにある。足りなかったのは自信だった。
「初めての大学駅伝が箱根駅伝の5区で、すごく弱気になってしまい、緊張もしていました」

 前回、初の箱根路に挑んだ小野寺悠は、本番では区間16位と振るわず、5位で受けたタスキを9位に落としてしまった。
「自分のところまでに良い順位できていたし、復路の順位は3位でしたから、自分がちゃんと走っていれば、総合3位以内に入れたと思っています」
 チームは、復路で巻き返し総合5位と健闘したものの、もっと上位を狙えただけに小野寺は悔やんだ。

 帝京大は“叩き上げのチーム”と言われるが、そのなかで小野寺は“エリート”の部類に属するだろう。中学時代から全国大会に出場し、静岡の加藤学園高時代は、1年時から全国高校駅伝に出場。3年時には、激戦区の東海地区を勝ち上がって、インターハイに5000mで出場している。帝京大に入学すると、1年時から関東インカレ(2部)10000mの対校選手にも抜擢された。

 1年時こそ箱根の出番はなかったが、2年生になったばかりの4月、各大学の山上り候補が多数出場する日本平桜マラソンで、2位に1分以上の大差を付けて圧勝。早くから箱根の5区候補に名前が挙がっていた。そして、満を持して迎えた舞台が前回の箱根5区だった。

「箱根の悔しさを忘れないように心にちゃんと刻んで、1年間絶対にケガをしないようにして、ちゃんと練習をやろうという気持ちで、今シーズンはスタートを切りました」

 その言葉通り、4月以降はケガなく順調に練習を積み重ねていった。夏合宿明けの9月の日本インカレでは、入賞こそ逃したものの、他大学のエース格と互角に渡り合って10位(日本人5位)と健闘した。このレースで「手応えを得た」という小野寺は、出雲駅伝で5区区間賞を獲得。6.4㎞と短い区間ながら3人を抜いて、6位まで押し上げた。

 続く全日本は3区9位だったが、11.9㎞を34分27秒と、タイム的には決して悪くはなかった。さらに、11月の上尾ハーフマラソンでは、帝京大記録となる1時間2分3秒で走った。新たなエース候補として、小野寺は勢いに乗っている。10000mの記録はチーム10番手だが、単に秋に記録会に出ていないだけで、走っていれば28分台はマークしていただろう。

「出雲は区間賞を獲れるという自信がありました。緊張することも大切ですけど、自信が大きければ結果も変わってくるんだと思いました。強気で自信を持って臨まないと、スタートラインに立った時点で負けているなと思ったので、このままこの調子で箱根に臨みたいと思います」

 小野寺は、1年前には持てずにいた自信を、今はがっちりと手にしている。前回と同じ5区の可能性もあるが、おそらくは平地の主要区間での起用が予想される。

 チームは総合優勝を目標に掲げている。
「みんながしっかり準備をして、それぞれが持っている力を出せれば、優勝は絶対に狙えると思っています」
 自信を持って臨む2度目の箱根路。今度こそ、小野寺の本領が見られるだろう。

おのでら・はるか◎1999年1月18日生まれ、静岡県出身。小山中→加藤学園高(静岡)。自己ベスト10000m29分14秒22(大2)、ハーフマラソン1時間02分03秒(大3)。

文/和田悟志

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