3大会連続のオリンピック出場を狙う山縣亮太(セイコー)がリモート形式の合同取材に応じ、冬場の取り組みから近況について語った。その一部をご紹介する。

上写真=リモート形式の合同取材で近況を語った山縣
写真/毛受亮介(陸上競技マガジン)

――改めてケガなどに苦しんだ昨シーズンについて。

山縣 結果がなかなか出ずに苦しいシーズンでした。ケガであったり、不調であったことを振り返り、なぜそうなったのかを考え、そこから見えた新しい課題、新しい走りのイメージが見えたので、成長のきっかけになる1年だったと思います。

――それを受けて今シーズンに向けて取り組んできたことは。

山縣 昨年末、冬期練習のためにフロリダ(アメリカ)に行く前、(体を大きくして)エンジンを強化して出力を上げたいと言っていたと思いますが、(それ以降は)もっと技術的なことを変えて、磨いていこうと意識が変わりました。具体的には、2019年の走りは体の起き上がり(のタイミング)が少し早かったので、前傾姿勢をより長く取れるように心がけてきました。レース終盤まで前傾姿勢を保つようなイメージです。

――技術面に重きを置いた理由は。

山縣 2019年シーズン前の冬期練習ではウェイトトレーニングを頑張ってやっていたのですが、やり方がよくなかったのか、背中を痛めた。そのときにフォーム、より良い体の使い方を覚えなければと考えたためです。

――新型コロナウイルスの感染が拡大し、緊急事態宣言が出され、これだけ競技活動が制約された期間はなかったと思いますが、どのように活動されていたのでしょうか。

山縣 練習環境は制約のある中で行わざるを得なかったので、自分の筋力を落とさないこと、技術を磨くことを中心に取り組んでいました。

――オリンピックの1年延期について。

山縣 気持ち的には多少覚悟していましたし、延期が決定してしまったのは仕方ないと思う部分はありましたが、これまで東京五輪に向けて練習を積んできたので当初は落ち込む部分もありました。ただ、選手の出たい、出たくないという気持ち以上に世界が平和でなければオリンピックはできないので、仕方ないかなと。

――逆に1年延期になったことで、プラスにとらえている部分はありますか。

山縣 自分の場合は2019年が思うようにいかないシーズンだったので、そこから技術を立て直したり、体を作り直したり、自分の走りを見直したり、時間を要する作業なので、その点はプラスになったととらえています。

――過去2大会オリンピックに出場していますが、東京五輪に対する思いは。

山縣 3回目となるオリンピックに出たいという気持ちはありますが、過去2回はそれぞれ別物ですし、今回も4年前とは違って、日本の短距離のレベルもこの4年間で上がっているので、また新しい気持ちで臨みたいと思います。

――現在の状態についての感触は。

山縣 日ごろの練習でタイムを取っていますが、手応えを感じています。昨シーズン前の同じ時期に比べてもいいタイムで走れているので。

――試合から遠ざかっていますが、その点の不安は?

山縣 それはないですね。ただ、レース当日になったら気持ち的にうまくいかないと感じるかもしれませんが、それは当日になってみないと分かりません。

――今年の目標をどこに置いていきますか。

山縣 10月の日本選手権に一番のピークを持っていきたいと思います。あと8月のセイコーゴールデングランプリへの出場が決まれば、質の高いレースが行われると思うので、冬期からこれまでやってきたことを試す場としてベストを尽くしたいと思います。

構成/牧野 豊

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