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2019-11-05

【ボクシング】“唯一の存在”を懸けた戦いまで、あと2日 井上拓真「しっかり勝って、兄にバトンを渡す」

7日(木)、さいたまスーパーアリーナで行われるWBC世界バンタム級王座統一戦12回戦、王者ノルディーヌ・ウバーリ(33歳=フランス)対暫定チャンピオン井上拓真(23歳=大橋)の記者会見が5日、東京都内で行われた。

上写真=スーパーバイザーのミゲル・デパブロス氏をはさんで、火花を散らす両雄

 WBSS(ワールドボクシング・スーパーシリーズ)決勝戦と同時に開催された記者会見。注目度の点でどうしても後塵を拝してしまうのだが、それでも“無敗同士”の戦いは、静かな火花をバチバチと散らせた。

「多くの人に、私のことを知ってほしい」というウバーリ

 ウバーリは、あくまでも「自分がWBCでナンバーワンだ」ということを強調する。「タクマ・イノウエがここまで戦ってきたことにおめでとうと言いたい」と、“挑戦者”としての権利を勝ち取ったことへの賛辞を送りつつ、さりげなく“迎え撃つ”立場であることをアピール。さらに、「彼が素晴らしいボクサーであることは認識しているが、彼は私のように強い選手と戦ってきていない。そのことをリングで示したい」と、自らのキャリアを誇示した。

「いまは自信しかない」と拓真は言い切った

 それを受けた拓真は、「試合のカギは、いかに自分のボクシングを出すことができるか。それができれば間違いなく勝てる」と、こちらも積み重ねてきたトレーニングに確信を得ており、「練習で試行錯誤してやってきて、いまは自信しかない。勝って、しっかり兄にバトンを渡したい」と、静かに闘志を燃やした。

井上兄弟にとって、初めてのダブル世界戦。父・真吾トレーナーは「充実した最高の練習を積めたので、楽しみしかありません」と語った

「勝って、統一戦に進みたい」というウバーリ。
「初めての兄弟同時世界戦で、ダブルで勝利を飾りたい」という拓真。

 WBSS決勝のおかげで世界中の注目が集まるリング。
「オレもここにいる!」と存在感を示す絶好のチャンスでもある。

 なお、会見後、ルールミーティング、グローブチェックが行われ、ウバーリはライバル社製の白グローブ、拓真はウイニング社製の黒グローブを使用することが確認された。

文_本間 暁
写真_山口裕朗

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