5月場所が中止となり、4カ月ぶりに本場所が開催された。通常、7月は名古屋で開催されるが、移動と滞在のリスクを考え、両国国技館で行われた。
※写真上=新大関として初日の一番、隆の勝を退け白星で飾った朝乃山
写真:月刊相撲
観客も2500人程度入場させ(満員で1万1000人)、大声での声援は禁止されたが、「拍手がありがたい」「視線にお客さんが入ると気合が入る」という力士たちの声が聞かれた。
7月場所の一番の目玉は新大関の朝乃山。本来なら3月場所後の春巡業で「新大関」とアナウンスされ、大関の待遇を受けるのだが、すべてが中止となり、ようやくお披露目の日を迎えた。
出稽古が禁止され、自部屋だけの稽古となり、稽古相手は再十両の朝弁慶、幕下に陥落した朝玉勢らであったが、「影響はない」と言い切る。初日の相手は初めて上位に進出してきた伸び盛りの隆の勝。
立ち合い、朝乃山は隆の勝に突き起こされるも下がらず、左上手を取ると上手投げを打ちながら前に出て、後ろ向きになった相手を送り出し。立ち合いの踏み込みもよく快勝だった。
「お客さんがいるのといないのでは全然違う。緊張したけど、自分の相撲を取ることができた。すぐに左上手を取って攻められたのでよかった。上手は自然取れた」とニッコリ。この4カ月、得意の右四つ、左上手を取る形を研究してきただけに、成果が表れた一番と言っていいだろう。
今場所の報道陣の取材は、支度部屋を出たところに設置されたパソコンを使ってのリモート取材。新型コロナの感染者も増えている状況に、「土俵上で勇気と感動を与えられるように頑張っていきたい」と決意を語ってくれた。
文=山口亜土
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