翔猿(叩き込み)若隆景
12日目の注目の取組は、若隆景と翔猿の平幕2敗小兵対決。その日の好取組をファン投票で選ぶ森永賞もこの一番に懸けられた。
立ち合いで若隆景が左に動いて叩き、左上手を取りにいくが取れず、翔猿も足をよく運んで難なく残す。その後は両者の突き押し合い。若隆景がうまく翔猿の突きを下からあてがって、右をのぞかせると一気に前に出る。翔猿は左に回り込みながら叩くと若隆景は勢い余って土俵を飛び出した。勝負が決まると翔猿は「よしっ!」と気合の入った表情。若隆景は立ち合いで変わった時点で気持ち的に負けていたか。
「「立ち合いの変化は頭にあったので、突っ込みすぎずにと思っていた。速さ負けしないように相手についていくことを意識していました」と翔猿は振り返った。これで二ケタの10勝目。「目標にしていたので、二ケタはすごくうれしい」と語る。敢闘賞はほぼ堅いだろうが、さらに大きなご褒美の可能性もある。
「(優勝は)まったく考えてないです。周りからは言われますけど、できるなんて思ってないので意識はないです」と言うが、普段はお調子者で目立ちたがりの翔猿。NHKの中継で同じ質問をされたときは、「あと、3連勝したら考えます」と、らしさを見せていた。
13日目の対戦相手は西筆頭の隆の勝。三役以上の割が固まっているので、14日目は照ノ富士か。連勝するようなことがあれば、千秋楽は大関か正代を当てるしかないだろう。
「上位戦は楽しみです。緊張はないですね。ワクワクします」と語る翔猿の勢いはどこまで続くのか。
文=山口亜土
トップに2敗で5人が並ぶ大混戦の幕内優勝争い。11日目は2敗同士の対戦が組まれた。
www.bbm-japan.com幕内の優勝争いは前日までの2敗力士6人の中で照ノ富士が敗れて脱落。貴景勝、正代、若隆景、阿武咲、翔猿の5人がトップグループを形成している。
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