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2020-09-20

【相撲編集部が選ぶ秋場所8日目の一番】 高安(叩き込み)照強

7日目を終えて、1敗のトップグループを翔猿、琴勝峰、貴景勝の3人が形成。しかし、折り返しの中日、この3人がすべて敗れてしまう。

※写真上=混戦の中日、元大関髙安が小兵・照強を封じ2敗をキープ、悲願の初賜盃へ突き進む
写真:月刊相撲

 2敗には上記3人に正代、照ノ富士、霧馬山、髙安、若隆景、阿武咲の合わせて9人が並ぶ大混戦。誰が優勝するのか、さっぱりわからないが、悲願の初優勝を目指す髙安を取り上げたい。

 小兵の照強と対戦した髙安は、あまり踏み込まず、よく見て立って左を差し込む。照強に右からおっつけられると下から起こしてイナす。引いたところを出られたが、左ノド輪で起こし、照強が出るところを叩いて上から押しつぶした。慌てずよく見て、小兵料理のお手本のような相撲だった。

「なかなか組ませてもらえなかったので、じっくりといった。しっかり我慢して落ち着いて相撲が取れました。相手がいろいろやってきても対応できるように、よく見ていった」と取り口を振り返る。

 場所前の出稽古は禁止されていたが、元横綱稀勢の里の荒磯親方が相手を務めてくれた。「稽古もできたので、自信を持って臨めます」と初日に語っていた。

 現役の大関経験者で優勝がないのは髙安だけ。優勝したい気持ちは人一倍強いはずだが、「まずは勝ち越しですね。一日一番、しっかりベスト尽くしていきたいと思います」と慎重な構え。

 場所前に婚約中だった演歌歌手の杜このみさんと入籍。来年2月には第一子が誕生予定で、「いろいろな意味で頑張らないといけないので、しっかりやっていきます」。大関陥落後も腰痛に苦しみ、暗い表情が目立った髙安に明るさが戻ってきた。

文=山口亜土

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