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2020-09-21

【相撲編集部が選ぶ秋場所9日目の一番】 宇良(叩き込み)村田

幕内の優勝争いは2敗グループがトップで、前日の9人から貴景勝、正代、照ノ富士、若隆景、阿武咲、翔猿の6人となったが、まだまだ混戦状態は続きそう。

※写真上=ともにケガで番付を落とし復活した幕下の全勝対決は、宇良が叩き込みで村田を降した
写真:月刊相撲

 9日目は関取復帰を目指す宇良を取り上げたい。右ヒザの靱帯を断裂し、昨年11月に序二段から復帰すると大勝ちを続けて、今場所は西幕下5枚目で迎えた。ここまで無傷の4連勝。この日は村田と対戦した。最高位が幕下筆頭の村田も宇良と同様にケガで全休が続き、番付を大きく落としてここまで戻ってきた。

 宇良は相手の右足を取りにいく立ち合い。村田もわかっているので、うまく対処したが、出ていくところをタイミングよく叩かれた。宇良が5連勝として関取復帰に前進した。

「集中して落ち着いて取れた。確実に番付を上げていけるのはうれしいですね」と笑顔見せる宇良。今場所は足を取りにいく立ち合いが目立つが、取りにいきながらも強く当たっている。足が取れれば取るが、足を引かせて踏み込めないようにする狙いもあるのだろう。

 運がよければ、5枚目の5番でも十両に上がれるが、確実に上がるためには全勝が必要だ。「自分では上がれる感じはしない。甘い世界じゃないのは十分わかっている。幕下上位を抜けていくのは簡単なことじゃない」と慎重な構えだ。

 それでも、「ここまで来たら、あと2番勝ちたい」と本音。「でも、あまり欲を出さないで、一番一番に集中していきます」と語る。全国の相撲ファンが照ノ富士のようにもう一度、幕内上位で活躍することを願っている。頑張ってほしい。

文=山口亜土

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