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2018-08-18

[野球食]食べるスポーツドリンクスイカとキウイの塩シャーベット

海老久美子(管理栄養士、公認スポーツ栄養士)

◎デザート

<材 料>(球児1人分)
・スイカ……150g
・キウイ……半分
・レモン汁……大さじ1/2
・塩……少々(0.2g)

<作り方> 約10分 ※凍らせる時間を含まず
1)スイカとキウイは皮を剥き、ひと口大に切って凍らせておく。
2)レモンと塩を(1)に加え、途中全体をなじませながら、フードプロセッサーにかける。
3)固まりがなくなったら、器に盛る。

<Point!>
! ミキサーで作る場合には、少し水を加えてスムージー風に。
! スイカは種を取り除いておく。
! キウイの代わりに柑橘類でもOK。

<栄養量>(球児1人分)
エネルギー  79kcal
タンパク質  1.3g
脂質     0.2g
糖質     20.3g
カルシウム  20.4mg
カリウム   307mg
ナトリウム  80.4mg
鉄      0.4mg
ビタミンA  106μg
ビタミンB1  0.05mg
ビタミンB2  0.04mg
ビタミンC  46mg
食物繊維   1.5g

<Pickup栄養素>
カリウム
ナトリウムとともに体の水分を保持し、筋肉の働きを良くする、夏の球児に欠かせないミネラル。カリウムが大量の汗と一緒に失われて起こる低カリウム血症は夏バテの原因になる。

キウイを加えて
ビタミンCを強化

 スイカやトマトやきゅうりといった夏野菜は、カリウムなどミネラルを含んでいる。それに塩をかけてナトリウムをプラスすれば、大量に汗をかいたときの水分とミネラル補給になるスポーツドリンクに近い内容になるのだ。

 ただし、市販のスポーツドリンクに含まれるナトリウム量は、0.1~0.2%。発汗時には、ナトリウムが必要といわれるが、実はこの程度で十分。塩の摂り過ぎには注意しよう。

 ちなみに、スイカは、園芸上では野菜として分類され、青果市場や栄養学では、果物に分類される。トマトやきゅうりに比べ、スイカは果物扱いされることから分かるように糖質も多い。つまり、エネルギー補給もできる「食べるスポーツドリンク」になるのだ。

 さらにもう一工夫。キウイを加え、レモン汁も振って、ビタミンCを強化する。スイカは、もともとベータカロテンも豊富なので、日焼け対策になる抗酸化栄養素が二つそろうことになる。

 作り方は簡単。果肉を切って凍らせて、ミキサーにかけるだけ。余ったものは、そのまま冷凍保存できるし、少し溶かせばスムージーとしてまさにドリンクとしても楽しめる。

 ヒンヤリ冷たいデザートは、練習などで熱のこもった体をクールダウンする役目もある。体も冷静に保って、暑い夏を乗り切ろう!

《PROFILE》
海老久美子(えび・くみこ)
立命館大スポーツ健康科学部副学部長。管理栄養士、公認スポーツ栄養士、博士(栄養学)。全日本野球協会医科学部会委員。JOC強化スタッフ。ジュニアからトップまで、各種目のアスリートへの実践的な栄養教育・サポートを実施。著書に『野球食』『野球食Jr.』『野球食のレシピ 』『女子部活食』(小社刊)などがある。

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