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2018-08-07

[野球食]うまみと栄養価を凝縮焼きソーメン

海老久美子(管理栄養士、公認スポーツ栄養士)

◎主食

<材 料>
・ソーメン……150g
・豚ひき肉……80g
・キャベツ……80g
・ピーマン……1個
・赤ピーマン……1個(またはパプリカ1/4個)
・干ししいたけ……2枚
・干しエビ……10g
・ごま油……大さじ1
・ニンニク(薄切り)……1/2片
・輪切り赤唐辛子……少々 
・鶏ガラスープの素……小さじ1
・干ししいたけと干しエビの戻し汁……100cc程度
・しょうゆ……大さじ1/2 
・こしょう……少々**

<作り方>** 約25分
1)ソーメンは硬めに茹でて冷やし、水を切る。干ししいたけと干しエビはお湯につけて戻す(戻し汁は捨てずに使う)。キャベツ、ピーマンは千切りにする。
2)フライパンでごま油を熱し、ニンニク、唐辛子を弱火で炒め,香りが出てきたら豚ひき肉を強火で炒める。豚ひき肉の色が変わったらほかの材料も入れて炒め、鶏ガラスープの素を戻し汁(50cc)に溶かし入れ、ソーメンを加えて、しょうゆとこしょうで味をととのえる。

<Point!>
! 干ししいたけは、日光に当ててから使うとビタミンDが増える。
! ソーメンの茹で方は、かなり硬めで大丈夫。
! しょうゆの代わりにナンプラーを使うとよりエスニックな味に。

<栄養量>(球児1人分)
エネルギー 914kcal
タンパク質 35.8g
脂質    27.7g
糖質    125.6g
カルシウム 430mg
鉄     3.4mg
ビタミンA 49.8μg
ビタミンD 1.48μg
ビタミンB1 0.73mg
ビタミンB2 0.4mg
ビタミンC 109mg
食物繊維  9.3g

<Pickup栄養素>
ビタミンD
球児の骨の発育に欠かせないビタミン。不足すると骨の成長障害の可能性も。血液中のカルシウム濃度を一定に保つ働きもある。

干ししいたけ、干しエビで栄養アップ
夏の救世主をアレンジ

 夏の食事の救世主、ソーメン。バテ気味で食欲が落ちている時でも、その爽やかな冷たさとツルリとした喉ごしで、球児の貴重なエネルギー源となってくれているだろう。
 しかし、栄養価的には心許ない。ソーメンをうまく活用して、夏の疲れに負けないようにしよう。

 ソーメンは炒めることで、食べ応えとともに、エネルギー量もアップさせる。
 具は一見地味だが、実はパワフル。しいたけのビタミンD、エビのカルシウム、豚のビタミンB1、そして、ビタミンB1の吸収をよくするアリシンを含むにんにく。これらの具も、ソーメンをビーフン風に炒めるからこそ、うまく馴染むし、残さず食べやすい。
 

 乾物である干ししいたけや、干しエビは、干されることで栄養価もうま味もグッと凝縮。干し海老のカルシウムは激増と言える。
 干ししいたけに含まれるビタミンDの前駆体であるプロビタミンD2(エルゴステロール)は、日光に当てることでビタミンD2に変化する。最近の干ししいたけは、天日乾燥でないものもあるので、よりビタミンDを摂ろうとするならば、戻す前にしばらく日光に当てるといい。

 凝縮されたうまみが解放されることで、味わいは深まる。だから、調味料も少なめで十分。むしろ、薄味に仕上げて、和食の真髄でもある「出汁」の味を楽しむ機会にもしてほしい。また、茹でたソーメンと違って、たくさん作っても、冷蔵庫に入れておけば次の日でも食べられる。

《PROFILE》
海老久美子(えび・くみこ)
立命館大スポーツ健康科学部副学部長。管理栄養士、公認スポーツ栄養士、博士(栄養学)。全日本野球協会医科学部会委員。JOC強化スタッフ。ジュニアからトップまで、各種目のアスリートへの実践的な栄養教育・サポートを実施。著書に『野球食』『野球食Jr.』『野球食のレシピ 』『女子部活食』(小社刊)などがある。

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