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2018-04-23

[高校野球タイブレーク] 甲子園の実例に学ぶ 無死一、二塁の戦術 2017夏 2回戦 広陵ー秀岳館

犠打後のスクイズが
内野安打となり好機拡大

 8月17日、夏の甲子園第9日第1試合の2回戦、広陵対秀岳館。7回表の広陵は、六番・大橋の中前打、七番・吉岡の2ストライク後のバスター切り替えによる左前打で無死一、二塁の好機を築いた。打者は八番の松岡。

広陵・中井監督「松岡はバントなどのつなぎ役として入れている選手」

 カウント1ボールから一塁前へバントを転がして一死二、三塁で打席には九番・投手の左打者・平元。カウント1ボールからの2球目にスクイズを敢行した。
 秀岳館のマウンドは左腕・川端。その足元に強めに転がった打球がグラブの下をすり抜け、転々とする間に三走・大橋が生還し、打者走者も生きて一死一、三塁。打球処理に誤りがなければ本塁のタイミングは分からなかったが、左投手で三走が早くスタートを切っていたことが奏功した。スクイズ成功の形になっていても二死二塁で一番打者につながる戦術。
 一死一、三塁で秀岳館内野陣はダブルプレー狙いの中間守備。

広陵・中井監督「一番・高田誠は本来、五番を打たせることが多い勝負強い打者です」

 初球打ちの結果、二塁へのゴロが敵失を誘い、さらに1点を加え、一死一、二塁とした。
 左打者の二番・高田桐が仕掛けたセーフティーバントは結果として犠打となり二死二、三塁。三番の中村は歩かされたが、四番・加川に一本出れば大量点につながる攻撃だった。

広陵・中井監督「あまり点を取れるとは思わなかったが、甲子園慣れしているチームなので、スキを突く野球をできればと思っていた」

 1対1の同点のまま終盤に差し掛かったポイントで、強打の秀岳館打線の反撃にあうことをにらみつつ、確実な1点と大量点につながる可能性を両追いする攻撃の流れだったと見られる。

手堅くバントで好機をつくりにいった。その後のスクイズでは打者走者がアウトになっていても二死三塁が残る

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