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2017-11-04

[高校野球] 秋季九州大会は創成館がV 自慢の守備が原動力

富島が初の甲子園へ前進
ベスト4は東筑、延岡学園

 来春の第99回記念選抜高校野球大会の出場校選考の参考資料となる秋季地区大会。九州大会が10月23~30日に行われた。九州地区のセンバツ出場一般選考枠は「4」。優勝した創成館(長崎)、準優勝の富島(宮崎)は当確間違いなし。残り2枠はベスト4入りした東筑(福岡)は問題なく先行されそう。延岡学園は同じ宮崎の富島が準優勝しているだけに地域性が考慮されるが、準決勝で優勝校の創成館に0対2と接戦を演じており、戦いぶりは問題ない。

 決勝で富島を7対4で破った創成館は春夏通じて初めての九州大会優勝。11月10日に開幕する神宮大会に出場する。

 創成館の指揮を執る稙田龍生監督は別府大付(現・明豊)の出身で、社会人・九州三菱自動車では14年間プレーした。2003年には監督として日本選手権に出場している。創成館の監督に就任したのは08年。13、14年とセンバツに出場し、15年には夏の選手権に初出場した。このとき、春夏通じて甲子園初勝利を挙げている(1回戦、対天理、3対2)。

 稙田監督のチームづくりの根幹を成しているのが守備へのこだわり。社会人でも内野手としてプレーし、1点にこだわる緻密さを植えつける。

守備を中心にチームづくりを進める稙田監督(左)

 15年に初めて夏の甲子園に出場した際には、持ち味の守備が綻びを見せる場面があった。健大高崎との2回戦、1点リードして迎えた5回無死一塁の場面で、相手の右打者が一塁側へプッシュバント。捕球した一塁手とベースカバーに入った左腕投手との連携が乱れ、一、三塁とされたところから失策も絡んで3点を奪われた。

「左投手は三塁側のバントに対して、一塁に投げづらい意識があるからか、バントの構えに三塁側に反応してしまいがち。そこを狙って一塁側へのバントをしてくることを守備側は準備しておかなければならない。初めての夏の甲子園で良い経験をさせてもらったシーンです」

 今秋は長崎大会5試合で計6失点、九州大会4試合で8失点と、投手を中心に計算が立つ守備力は健在。しかも、九州大会は無失策で乗り切った。「守って少ないチャンスを逃さなかった」(稙田監督)。打撃偏重の高校野球界の流れの中で独自のスタイルを貫いている。

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