
2007年夏の甲子園で佐賀北高を全国制覇に導いた百﨑敏克氏が17年夏の大会を最後に、監督を勇退。その指導人生を振り返った。
2002年から2年間の三養基高勤務を経て、04年、母校・佐賀北高に赴任し、監督に就任した百﨑は、新学期が始まった直後のミーティングで「最低でも甲子園出場、目指すのは甲子園優勝」の大演説を打った。刺さったままの棘は、いつも百﨑の胸を刺激していた。
「佐賀市の中心部にあり、人気も高く、これまでの学校よりはるかに選手は集いやすい環境です。必ず強くなれると思っていた」
佐賀の地から全国を見据え、目指したのは「5点取られたら、6点取り返す野球」。全国で勝つことを意識し、予選の早い段階では点を取りにいく手段も打線の力に任せることもあった。しかし、1点を取り損ね、負けることもしばしば。05、06年の夏はいずれも初戦で敗退した。
「目標こそ大きくなれど、やることは変えてはいけないと思い知らされました。点を取り合う野球に勝利していくのにも限界があります。だからとにかく投手を中心にディフェンスを固めて、失点を少なくして競った展開に持ち込んで粘る。そうして思わず知らず、応援したくなるようなチームをつくっていくしかないというのが結論です」
07年、「最低」の目標を果たしたチームは、目指した最も大きな成果を得た。地方の公立高校が果たした快挙は、「がばい旋風」と呼ばれる大きな熱を巻き起こした。百﨑、51歳の夏だった。
その後も12年夏、14年夏に母校を甲子園に導いた百﨑。そして、今年の夏の大会を最後に、教え子でもあり、07年夏の優勝投手でもある久保貴大に監督を任せ、自身は副部長として野球部を見守っている。
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