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2017-09-12

[高校野球]練習用ユニフォームの背番号のワケ/北越高(新潟)

全選手に高校野球を全うしたというアイデンティティを

 今夏の新潟大会でベスト4入りした北越高。これまでに春夏通じて甲子園出場は果たせていないが、2009年夏に小島清監督が就任して以降、春秋の北信越大会に5度出場。県上位で戦う力を蓄えており、いつ出場権を手にしてもおかしくない。

 学校はJR新潟駅から徒歩15分。利便性の高さから人気の私立高だ。野球部のグラウンドは学校の敷地内にあり、人工芝が敷かれている。サッカー部などと共用のため、狭いスペースを有効利用したメニューを組む。

 練習風景をのぞくと、選手たちが着用するユニフォームには背番号が着いている。高校野球で用いられる1~20の番号だけでなく、中には60番台や90番台まで。「04」や「07」といった変わった数字も目に入る。理由を小島監督が教えてくれた。

「人数が多くなってきて、中には3年間ベンチに入れないまま高校野球を終えてしまう選手もいます。そうした選手たちにも自分の番号を持ってもらおうということです。高校時代に何番を着けていたって、将来にも大事にする数字になればいいなって、それだけのことなんですけど」

 各学年20~30人の選手が集うようになった。新チームは53人の選手がいる。そのすべての選手に、駐車場やロッカーなど、番号を選ぶ生活のシチュエーションで高校野球を全うしたというアイデンティティを持ってもらうための取り組み。些細なことではあるが、指導者としての愛情の一つである。

 現在、開催中の秋季新潟大会でも県大会に進出。今週末からは北信越大会出場3枠をめぐる争いが始まる。

 北越高が導入する「動作の獲得」に主眼を置いたトレーニングはベースボール・クリニック10月号に掲載。

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