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2017-09-01

コツコツが勝つコツ♫ 元ヤクルト宇佐美康広のロクハチ野球工房日記[4]

雨天時の対策

 今回は雨の日の対策についてです。

 雨天の練習後、グラブは使用後の乾燥と保湿が大切です。雨の日は特に水が染み込んで重くなりますし、泥などの汚れも付きやすい。ですから使用後はしっかり乾かして、ブラシとクリーナーで汚れを払い、そこからオイルを塗っていきましょう。ちなみにストーブの前などで乾かしている人もいるかもしれませんが、急激に温度を高めると革がパリパリになってひび割れの原因になります。とは言え、雨の日は湿度も高く、なかなか乾きにくいもの。そこでオススメしたいのは布団乾燥機です。

 段ボールに丸い穴を空け、乾燥機のホースを突っ込んだら準備完了。ここにグラブを入れてタイマーを設定すれば、自分で乾かし具合を調節できるわけです。ちなみに送風口からはできるだけグラブを離すことで、急激な乾燥を防ぐことができます。そして、9割ほど乾燥したら一度取り出し、グラブワックスを擦り込み、その後は自然乾燥させましょう。こうしておけば、革をパリパリにしなくて済みます。また、乾燥機がなければ自然乾燥となりますが、その場合は新聞紙を丸めて指の部分に差し込んでおくといいでしょう。新聞が水気を吸ってくれるし、指の部分にすき間が空くので、風が入って乾きやすくなります。

雨天の練習後のグラブ乾燥にオススメなのは布団乾燥機。グラブを入れた段ボールに穴を空け、ホースを通して密封すれば、手早く適度に乾燥させられる

 同様に、シューズやスパイクの手入れも大切です。濡れた雑巾などで拭いて汚れを落としたら、ブラシで磨いていきます。あまりにドロドロになってしまった場合は水で洗い、そこからしっかり乾燥させて磨くのでもいいでしょう。グラブ用のクリーナーは靴にも使えるようにつくられていますし、各メーカーからはスパイク用のリキッドなども出ています。シューズやスパイクも革製品なので、しっかりメンテナンスをしてほしいものです。

 またスパイクの刃の部分ですが、錆びてしまうのは水が付いたままで放っておくから。使用後はしっかり水気を落とし、雑巾などで拭いてあげましょう。スパイクのソール部分は、最近では樹脂底が主流になっています。樹脂底のメリットはくり抜くことで軽量化が実現でき、雨に濡れても重くならないこと。逆に革底は水を吸うため、雨の日だと重くなりやすいです。ただ革底にも大きなメリットがあって、柔らかくて足により馴染んでくれるため、足にかかる負担を減らすことができ、またプレーの面では地面の感触をつかみやすい。そんな違いも理解した上で、スパイクを選んでもらえればよいかと思います。

 さて、球場によっては土、人工芝、天然芝などの違いもあります。昔の神宮球場の人工芝などは絨毯のようにツルツルしていたため、いわゆるトレーニングシューズを使用し、逆に雨の日は刃がないと滑るためスパイクを使用する。そんな使い分けをしていました。ですが最近の人工芝は芝が長いですし、スパイクでも十分に対応できると思います。ただ、いずれにしても雨の日に気をつけてほしいのは、滑らないようにすること。特に走るときは重心を下げてグッと踏ん張ると滑りやすいので、いつもより重心を高めにして動くのがいいと思います。ちなみにトレーニングシューズで走り込みをしている人が多いですが、これはもともとゴムソールでグリップ力を高め、人工芝での守備や素振りなどのトレーニングに耐えられるように作られたシューズ。強度は高いのですが重さやクッション性、足への負担などを考えたら、走り込みなどのメニューは、ランニングシューズで行うことをオススメします。

 最後に、雨の日は体も冷えやすいので、着替えなどの準備をお忘れなく。雨に濡れたユニフォームは試合前にすべて着替えるのがベスト。プロ野球選手のようにそこまで徹底するのは難しいですが、アンダーシャツくらいは着替えてほしいですね。

シューズやスパイクの手入れは怠ってしまいがち。ブラシで払ってクリーナーで汚れを落とすだけでも、毎日続ければ革の質をしっかりとキープできる

ロクハチ野球工房
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